column 2024.9.18
 
【シリーズ】郊外くらしラボ

10/9 【建築家向け】空き家を「もらう」→ 仕事をつくる

千葉敬介(東京R不動産)
 

空き家は「もらう」ことができる時代。それを逆手に取って、人が集まる地域をつくろう! というプロジェクトです。自分のまちでもできるかも!? と思った建築家の皆さん。いっしょにこれからの地域と仕事のつくり方を考えましょう。

建築家といっしょに、地域を楽しくしていきたい! R不動産では、そんな目標を掲げていくつかの取り組みを始めています。

そのひとつが、この「空き家をもらう」プロジェクト。

実践者として、地域で空き家を10軒ももらい、活動を展開している「kurosawa kawara-ten」の黒澤健一さんからノウハウをレクチャーする会を開きます。

kurosawa kawara-ten

「空き家をもらう」って、どうすればいいの? 大変そう……、と思う方も多いかも。

もらった空き家を仕事につなげる方法は? その先にどんな可能性があるの? と、疑問も次々に浮かんでくるはず。

そんな疑問に答えつつ、みんなで新しい建築家の活動領域をつくっていこう! というのがこのプロジェクトの目標です。

地域づくりに取り組む建築家のみなさんを、R不動産がバックアップします。

黒澤さんが作ったサイト「KOUGAI DANCHI OF TOMORROW|明日の郊外団地」。濃いです

合理的にもらう

「もらう」と聞くと、お願いしまくって、ひたすら営業をするような感じもします。

もちろん地道なアプローチは基本ですが、黒澤さんたちがやっているのは合理的な選択として“手放す”という方法を建物の所有者に提示し、最善の選択肢であることを理解してもらうこと。

ちなみに「もらう」という表現を何度も使ってきましたが、黒澤さんはあえて少額の金銭を払っている場合も多く、そういうテクニカルな部分を事前に知っておくのも、とても重要なポイントです。

さらに、今回はもうひとりのゲストとして、黒澤さんと同じ千葉県市原市で空き家の活用に取り組む「開宅舎」の代表、髙橋洋介さんにも話を聞きます。

開宅舎はなんと25軒以上の空き家を数年のうちに借り上げて、サブリースの手法で借り手となる移住者を呼び込んでいるという、ちょっと信じられない動きをしています。

穏やかな雰囲気の高橋さんが、どうやってそんなにたくさんの空き家を掘り起こしているのか、気になるところ。

さらに深く実践的に学びたい人には、開宅舎でやっている「ノックの学校」というプログラムもあります。

開宅舎

kurosawa kawara-tenがリノベーションした開宅舎のオフィス

開宅舎のウェブサイトから「ノックの学校」

空き家を仕事に

さて、例えば空き家を5軒もらえたとして……。

それを5人に売って、そこに建てる家の設計を受ければいい、と思うかもしれませんが、実はそれをするには事業者として宅地建物取引業の免許が必要です。

そのためには宅地建物取引士の免許を取ったり、供託金を預け入れたりと、コストもかかる……。

でも大丈夫。それを回避しながら、新築やリノベーションの設計を受けられる方法もお伝えします。

第1回のまち歩きイベントの様子。参加者の中から住みたいという人が出てきている

実はkurosawa kawara-tenは設計事務所であり、工務店でもあります。

そのことは、もらった空き家をうまく生かす重要な要素になっているし、住み手が自分で工事するのをサポートするDIYならぬDIT(Do It Together)という手法も武器にしています。

だからといって「みんな工務店になろう」とはいわないけれど、建築家も施主といっしょに工事をしたり、簡単な工程は部分的に請け負ったりすると、仕事の幅がグッと広がります。

そんな目線から役立つ情報も、黒澤さんが紹介してくれます。

kurosawa kawara-tenの黒澤健一さん

地域で頼られる存在になろう

空き家の問題は国の大きな課題でもあり、各自治体も対応に苦慮しているところで、有効な手を打てているところはほとんどありません。

そんな中で空き家のことに真正面から取り組み、そこに住む人も呼び込めるとなれば、行政からも注目される存在になる。

R不動産でも空き家対策の取り組みをきっかけに、いくつもの自治体と関係を持つようになり、そこから新たな展開も生まれています。

特に地方や郊外であれば、そうなる可能性は高く、それをきっかけに建物や土地の活用を相談されることもあるでしょう。

そうやって地域で頼られるようになり、地域をつくる中心的な存在になっていく。

それが僕らの思い描いている未来です。

そのための一歩として、空き家をもらうという方法を試してみたいと思ったら、黒澤さんの話を聞きにきてみてください。

今回は予定が合わないという方も、フォームからご登録いただければ次回案内をお送りします。

建築家向けの会は東京で開きますが、一般向けに現地でもまち歩きをしますので、現地を見たい方はこちらもぜひ。

10/26 まち歩き&説明会 家は「もらう」時代に!?

[画像提供(1、3、4、5枚目):しなやかデザイン、kurosawa kawara-ten]

【建築家向け】 空き家を「もらう」 → 仕事をつくる

日時:2024年10月9日(水) 16:00~18:00(15:30開場)
会場:目白センター(東京R不動産オフィス)
住所:東京都新宿区下落合3-14-16(MAP
参加費:無料
参加方法:事前予約制
以下リンク先にてお申し込みください

申し込みページ(peatix)

10月9日のイベントに参加できない方で、今後の情報などをご希望の場合は、以下のフォームでご登録ください
登録フォーム(googleフォーム)

連載記事一覧
 
おすすめコラム
 
カテゴリホーム
コラムカテゴリー
 
特徴 フリーワード
フリーワード検索
関連サービス
 
メールサービス
 
SNS
 
東京R不動産の本
 
公共R不動産のプロジェクトスタディ

公共R不動産の
プロジェクトスタディ

公民連携のしくみとデザイン




公共R不動産のプロジェクトスタディ

CREATIVE LOCAL
エリアリノベーション海外編

衰退の先のクリエイティブな風景




団地のはなし 〜彼女と団地の8つの物語〜

団地のはなし
〜彼女と団地の8つの物語〜

今を時めく女性たちが描く




エリアリノベーション 変化の構造とローカライズ

エリアリノベーション:
変化の構造とローカライズ

新たなエリア形成手法を探る




PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた

PUBLIC DESIGN
新しい公共空間のつくりかた

資本主義の新しい姿を見つける




[団地を楽しむ教科書] 暮らしと。

[団地を楽しむ教科書]
暮らしと。

求めていた風景がここにあった




全国のR不動産

全国のR不動産:面白く
ローカルに住むためのガイド

住み方も働き方ももっと自由に




RePUBLIC 公共空間のリノベーション

RePUBLIC
公共空間のリノベーション

退屈な空間をわくわくする場所に






toolbox 家を編集するために

家づくりのアイデアカタログ






団地に住もう! 東京R不動産

団地の今と未来を楽しむヒント






だから、僕らはこの働き方を選
んだ 東京R不動産のフリーエー
ジェント・スタイル






都市をリノベーション

再生の鍵となる3つの手法






東京R不動産(文庫版)

物件と人が生み出すストーリー






東京R不動産2
(realtokyoestate)

7年分のエピソードを凝縮






「新しい郊外」の家
(RELAX REAL ESTATE LIBRARY)

房総の海辺で二拠点居住実験






東京R不動産

物件と人が生み出すストーリー






POST‐OFFICE―
ワークスペース改造計画

働き方の既成概念を変える本