R不動産のお客さんが、続々と増えてきた荒川区。しかし都心に近い立地ながら「荒川ってどこ? どんなまち?」という人もまだまだ多いようで……。そんな皆さんに、写真家の川島小鳥さん撮り下ろしで、普段着でゆるくつながるまち荒川の魅力をお伝えします。
西尾久にある食堂「灯明(とうめい)」はギャラリー(LAVENDER OPENER CHAIR)を併設。アーティストで料理も絶品の富樫くんは、川島小鳥さんとも親しい間柄
レトロのひとことでは括れない、深い味わいが魅力の「野崎浴場」。残念ながら来年の春には、戦後から続いてきた歴史に幕を下ろすそう。ご主人の優しい笑顔が印象的
昔ながらの商店街にあるアジア料理と雑貨の店「n.r store」。特にバインミーはお薦め。荒川はアジアだ
裏路地の小さな店「花やMOMO」。優しい笑顔の店主、大竹さんは荒川の170カ所を超える小さな店などをつなぐスタンプラリーの発起人でもある
茨城県で農業を営むご夫婦。荒川にある実家の軒先を使って、週末に販売をしている。新鮮な野菜はご近所に大人気
60年以上続く喫茶店「たうん」。常連さんの会話が弾む店内には、お一人のお年寄りから子連れの若いお母さんの集まりまで。驚くほど多いメニューにはこだわりも詰まっている
まちの人たちの気持ちをつなぐように走る都電
下町ならではの、ゆるい人のつながりが、暮らすにも、働くにも、活動するにも魅力的なまち荒川区。でもそういう空気って、言葉でうまく伝えられるものでもなく……。
誰かの力を借りたいと思ったときに、真っ先に思い浮かんだのが、川島小鳥さんの写真。一緒にまちをめぐりながら、荒川の魅力を切り取ってもらいました。
撮影後、川島さんからはこんな感想をいただきました。
「銭湯や喫茶店はもはや文化遺産だし、髪の毛ボサボサでも気にしないで歩けるおおらかな感じは、もはや奇跡なのかもしれないと思いました」
そんな川島さんは、小橋陽介さんと展示を開催。会場は東京R不動産の最初期から数々のエピソードを生み出してきた、名物ともいえるビル。建物の取り壊しを前に、最後の花を添えるイベントになりそうです。
| 「Pink Noise Dance」
会場:原島ビル304 住所:東京都千代田区神田三崎町3-10-5 会期:11月19日~27日(21日休み) 時間:12:00~19:00 |
川島小鳥
写真家。1980年生まれ。
早稲田大学第一文学部仏文科卒業後、沼田元氣に師事。
写真集に『BABY BABY』(2007)、『未来ちゃん』(2011)、 『明星』(2014)、谷川俊太郎との共著『おやすみ神たち』(2014)、 『ファーストアルバム』(2016)、台湾ガイドブック『愛の台南』(2017)、 小橋陽介との共著『飛びます』(2019)、『violet diary』(2019)、 『おはようもしもしあいしてる』(2020)。
第42回講談社出版文化賞写真賞、第40回木村伊兵衛写真賞を受賞。
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