

特集コラム「2009年この物件がアツかった!」
衝撃的な外観、巨大なバルコニー、素敵な内装、古ビル……。
1度見たら忘れられない特長や雰囲気をもつ物件を「アツい!」と賞賛し、評価するチームが、東京R不動産にあります。その名も東京R不動産「アツい物件課」。メンバーは東京R不動産営業スタッフのタナカとこまつの二人。「物件の第一印象で感じることを大事にしたい」そう言って憚らない彼らが、今年東京R不動産でご紹介した物件から特にアツかった物件をセレクトしてご紹介します。
「赤坂ドカン」 担当:ムロタ
~2009年 東京R不動産最大のルーフバルコニー~
間取りでまず笑えます。
ルーフバルコニーが173平米! でかい! 東京R不動産史上最大級。 え? これでも1番じゃないの? 過去に、数平米だけこれより大きいものがあったらしい。
今年最大ですか? それは間違いない。
あと、間取りも良い。この間取りはスゴいですよ! リビングがバルコニーに真っ正面から向かい合っています。バルコニーが南にあるのが良い。バルコニーって北側斜線の都合で北側にあるのがほとんどだから。リビングからバルコニーが見えるように設計してあるのって珍しいですよね。和室に本格的な炉があることをみても、この物件は、建物のオーナーさんが大事なお客さんを招く場所として作り、使っていたのではないかと想像します。

見れば見るほどスケール感が狂う....

これが2009年最大のバルコニーだ!

北側だってこの眺め。
「創造せよ」 担当:ムロタ
~元は画家さんのアトリエという希少物件~
1970年代のコンクリート打ち放し建築。内部空間が力強い! トップライトがあってなんだか教会のようです。実際に見たのですが、コンクリートの状態がとても良かったです。
この物件、すぐに入居者が決まったため、1日半しかサイトに載っていなかったとか。ここで初めて見る人も多いのでは?募集開始の次の日の午前中にご案内し、すぐにお申し込みをいただき、夜には審査もOKで決定したとのことです。
やっぱり、この空間は、希少だもの。そういえばこの物件も、退去前のアトリエとしての状態の写真を掲載させていただいたんですよね。雰囲気を伝えることができました。

この空間の力。

開口部は天井面までガラスがピッタリ。設計は「鈴木恂+AMS」。
「挑戦者求む!<百合ヶ丘編>」 担当:おかざき
~一度ハマると抜けられない!? 斜面建築の魅力~
何度見てもインパクトあるな、この外観。引きの写真がもう、圧倒的に素敵です。外観写真だけで、営業スタッフ全員がオオーッとなったよね。でもこの物件、エレベーターがないんです。物件は最上階8階で、約160段の階段を上り下りしなければならない。どう思います?160段! 忘れ物したら大変だ。
住人にはお年寄りもいらっしゃって普通に上り下りしているそうです。若者がビビっちゃダメですよ! そもそもこのエリアは坂も多く、このくらい当たり前らしいです。内部も良いよね。特にリビングは開放的。リビングのガラス部分に柱がないのが大きいですね。眺めが邪魔されなくて。

圧倒的な外観。ファン急増中。

この階段に日々挑むわけだ。

リビングは広々。ガラス部分に柱がなく、視線を遮るものなし!
「ふわっふわ、陽のひかり。」 担当:タナカ
~オーナーさんの素敵な生活スタイルを紹介しながら募集~
明るいリビングと眺めのいいバルコニー。壁のコンクリむき出しな感じ、床のパイン材、置かれてる家具とか植物の感じがいい。これ、オーナーさんがまだ退去される前の写真なんです。オーナーさんの生活スタイルとか部屋の雰囲気をそのまま紹介できるのが東京R不動産のいいところだと思います。写真がこの物件での暮らし方の提案になっている。
オーナーさんは5年前にこの物件を購入、改装してお使いでした。改装時に内部の壁を抜いてワンルームにされたとか。ゆったりとしたリビングですよね。
実は、建物の周囲にはお寺があって、バルコニーから下をのぞきこむと一面のお墓。でも11階の9階なので、普段はあまり視界に入ってこない。お墓だから、高いビルが建つということはまずないし、だから風景が抜けています。それに静かですよね。
参考記事:「お墓が目の前」の物件は環境がいい!?

写真右手が北側のバルコニー。

バルコニーからの眺望。立ちふさがる建物なし!
「生まれ変わるとき」 担当:チバ
~古い物件に手をいれて、さらに価値を上げる~
ヴィンテージマンション! ちから、入るね。
目黒区にあるヴィンテージマンション。高台の頂上から斜面を見下ろすように南向きに建っています。東京R不動産でも注目している建物です。初めて外観を見たときオフィスビルかと思った。それぐらいシンプルな外観ですよね。
この物件はなんといってもリビングが魅力的です。まず開口部の大きさ。左右は間口いっぱいに、上下も足下から天井までめいっぱい広く確保されています。室内に梁や柱が出っ張ってないことも見逃せません。柱が居住部分の外にあるからですが、これは建物自体の良さですね。内装も良い。リビングの無垢の床材が印象的です。キッチンや和室も色があって素敵。ベースがシンプルな内装だからこういう「遊び」が活きてくる。建物は昭和44年築と古いけれど、手をいれることで物件の価値をグッとあげた例だと思う。

目一杯の開口がとられたリビング。柱も梁も無くスッキリ(撮影当時、工事の足場がかかっていました)

ベースは白、落ち着いた印象

キッチンや和室は色で遊ぶ
「千代田区で超狭小ビルを買う」 担当:伊藤
~都内一等地!憧れのビルオーナーへの道~
思わず「ちっちゃ!」と言ってしまうこのかわいさ(笑)
実際見ると、まわりと比較しても明らかに、ポコンと小さいんです。そして古い。昭和39年築だから、40年以上前の建物ですね。価格は2000万円台。その金額で、千代田区という都内一等地に、ビルを一棟持てるっていうのはインパクトあるよね。夢があります。
買主さんも、このエリアにこだわって探していたのではなく、たまたまこの物件を知って気になって購入へとのことですよ。現在、リノベーション中。1階がアトリエで2階3階が住居。2010年早々に竣工するんですよね。仕上がりが楽しみです。

ポコンと小さく。

リノベーション前の内部。これがどう生まれ変わるか?
「蔦の家」 担当:こまつ
~実はポテンシャルの高い物件だった~
蔦で覆われてますよ。ふつうじゃない。
元は真っ暗な家でした。オーナーさんによると15年くらい放置していたそうです。それをなんとかしなきゃと、 東京R不動産のリノベーションサービスにご相談いただいたんです。蔦をできるだけ残しながらの改装。入り口の場所を変え、住居兼事務所としても使える物件として生まれ変わりました。
内部は壁や天井を抜いて、補強してから真っ白に塗ったんだよね。蔦で隠れていた窓も復活して、内部はスゴく明るくなっています。2階の窓の感じが良いよね。自由学園明日館がすぐそばなので、毎日2階の窓からフランク・ロイド・ライトを借景にできる。建築が好きな人にはたまらないはず。オーナーさんもよく決意してくれましたよね。つぶして駐車場にしちゃうとか、売っちゃうとか、他にも選択肢はあったと思うけど。いちばん手間と時間がかかる選択だったのでは。
もちろん他の可能性についても検討されたそうですが、リノベーションをやってみたいという思いがオーナーさんにあったそうです。実はこの建物、耐久性のあるヒバを材料に使っていて、構造もしっかりしていることが、改装前の調査で分かったらしい。物件のポテンシャルが高かったというわけだ。

改修後の外観。撮影時は冬。夏には蔦が茂って緑になる夏が楽しみ。

元から窓が多い建物でした。

2階の窓から巨匠とご対面
「アンティーク戸建」 担当:ムロタ
~古くたって内装が良い~
外観は一見するとふつうの戸建てだけど。
いや、普通じゃないですよ。ちょっと洋館ぽいし。独特の雰囲気はにじみ出ていると思います。なんといっても内部。独特の雰囲気があるよね。和というか洋というか、いろいろ混ざっていて無国籍な感じ。なんだかテイストが日本離れしている。床から天井までのガラス面のサッシュが木製だったりとか。木製のドア、アンティークな照明、腰壁、猫足のバスタブとか。
その一方で、2階は和室だった痕跡も。
かつてこの物件に住んでおられたという方から、担当に連絡があったそうで、その方によると、この建物を設計したのはアメリカの方だったとか。また、今までに1度、改装されたことがあるそうです。無国籍な感じはそのあたりに由来しているのかな。昭和41年築の洋館風の木造戸建てが、40年近く経った今でも、いい状態で残っていることがスゴいですね。

外観は、ふつうの戸建のようだけど...

内部は、和でも洋でもなく無国籍。

屋根裏もふつうじゃない。
「美しき日本様式」 担当:Ha
~日本にはこんなオーナーさんがいらっしゃるのです~
古い木造住宅を購入したオーナーさんが、2年かけて改築、賃貸物件として募集された物件です。元の物件探しも改修後の賃貸募集も東京R不動産がお手伝いさせていただきました。改修にじっくり時間をかけてますね。大人が日本家屋を愛するとどうなるかを表現してくださった良い例です。
特に戦前の建物をお探しだったとか? 少なくとも70年以上前に建てられた建物ってことになりますよね。オーナーさんによれば、戦前の日本の木造住宅のほうが、良い材料を使っているように感じるとのことです。でも、見た目はとても良いとは言えないものだったらしい。押し入れの襖をあけたら、壁が崩れて外が見えたなんてこともあったとか。それだけだと買うかどうか迷いそうですが...「これは元々良いお家だったはず!」といえるだけの見る目があってこその決断ですね。
改修にあたっては、建物を「素」の状態に近づけることを旨とされたとか。使う材料も、雰囲気が合うものをオーナーさんが選んだのだそうです。土壁の土を選んだり、古材のサッシや襖を探してきたり。
オーナーさんのセンスが隅々まで活かされているのですね。

これが....(before)

こうなった!(after)

内部は清潔でモダンな印象。
「秘密の小部屋」 担当:チバ
~これは誰にも教えたくなかった!~
これもあっという間に決まってしまった物件。
あこがれのビラ・ビアンカ。屋上のペントハウスのなかの、ガラスで仕切られた一角が物件です。すりガラスで囲まれて、秘密めいた雰囲気です。
ビラ・ビアンカは、個人的に日本で一番好きなマンションで、日本一かっこいいマンションだと思ってる。でも、なかなか空き物件が出にくいんですよね。空き物件が出たこと自体がレアなのに、その空き物件が、こんなに秘密めいた場所だとなると、これ以上レアな物件は考えられない。
物件の広さは11平米。最上階にポツンとある、まさに秘密の小部屋。ビラ・ビアンカを体験できるんだから、そりゃ人気あるわ、この物件。私も内見したかった...他にも同じこと言ってるスタッフ多数でした。部屋から外部への開口も大きくとられていて、眺めがまた良いんです。また、共用部ではあるものの、隣接する屋上に出れば、青山を見晴らせる眺めも!

カゴのような部分の下左側に物件があるのです。

この磨りガラスの先に...

内部から外部へこの開口。
「前髪-一棟貸し-」 担当:ムロタ
~やっと出た! シンプルな一棟もの~
地下含めて3層のシンプルなハコ。事務所や店舗としては、すごく使いやすい物件だと思う。これだけシンプルだと使いやすい。自分の色を出しやすいよね。
場所はキャットストリートからさらに1本入ったところです。メイン通りとかメジャーな駅のそばにある物件よりも、脇道一本奥にはいった隠れ家のような物件の方が良いという方が、東京R不動産のお客さんには結構いらっしゃるんです。知る人ぞ知る的な、ね。その方が賃料が安くなる可能性も高いしね。そもそも神宮前や千駄ヶ谷あたりで、雰囲気や状態のいい一棟ものが募集できることは多くはない。2、3階建てで、80~150万円くらいの賃料で、小ぶりの古ビルはなかなかないので。そんななかでようやく出た、というのがこの物件ですね。

外観。「前髪」が流れます。

2階は天井と照明が特徴的

キャットストリートから1本奥まった静かなエリア
「坪庭から空へ 木のちから」 担当:タナカ
~多少の不便さはあってもそれを超える魅力があれば~
この物件、私が担当したのですが。最初に図面をみたときに、これは何だ?と。この間取りは「ありえない!」と。玄関から1階の奥に直接行くことができないんですよね(笑)、いったん2階に上って2階の奥に渡ってから1階の奥に下りなければいけない。こりゃ使いにくそうだ!と。でもどこか気持ちにひっかかる物件だったので、一回実物を見てみたいと思ったんです。で、見に行ってみると、これはヤバいと。
どうヤバかった?
建物の中心にある坪庭が非常に良かったんです。部屋にいながらこの木を感じることができた。多少不便なところがあっても、それをしのぐだけの魅力がある建物って、東京R不動産に多いと思っています。これもそんな物件の1つですね。

1階は坪庭で2つに分断され、行き来できない。

この木と暮らす。

(左)2階から外部を見る/(右)階段の吹き抜け部から坪庭を見る。
2009年のアツい物件はいかがでしたか? 実は、今回のセレクトからは泣く泣く外したものの、本当はご紹介したかった物件はこれ以外にも沢山ありました。
次回もどれがアツかったか選ぶのに困ってしまうくらいに、東京R不動産は個性あるアツい物件を発掘しご紹介していきます。今後も東京R不動産をよろしくお願いいたします。

