2018.6.13 |
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書籍発売『公共R不動産のプロジェクトスタディ』
行政が持つ物件を、民間企業とマッチングさせる「公共R不動産」が、国内外のプロジェクトを通して、実践から学ぶガイドブックを出版。ちょっとした工夫で空間を劇的に変化させたり、新しい発想で運営したりする仕組みを解き明かします。7月と8月に東京・大阪でトークイベントも開催!
国内外のプロジェクトを二部構成で紹介。前半はプロセスに着目し、実現までの方法論を解説。後半は視点の新しさにフォーカスし、事例を紐解く
今、公共空間はダイナミックに変化している。総額約590兆円ともいわれる公的な不動産資産に対して、総務省や国土交通省、内閣府が相次いで政策を打ち出し、全国の自治体は再編の真っ最中。
縦割りで管理されていた公的不動産は、一元化や取捨選択が行われ、将来かかる莫大な維持管理費をどのように確保するか、計画が求められている。
一方で、公民連携による新たな市場として、約16兆円の事業規模を目指すことが発表され、各分野で本格的な取り組みが始まっている。
葛飾区の女子職員寮を改修した宿「Shibamata FU-TEN Bed and Local」。誕生の裏には新たな官民連携の試みがあった。アーティストの作品に泊まれる部屋も(写真提供:R.project)
「公共空間=儲けてはいけない」というのは、すでに時代遅れ。これからは維持するためのお金を、公共空間自身が稼ぐ時代だ。
そのために公共施設の再編では、さまざまな手法で民間との連携が進められている。
中でも、自治体が所有したまま民間が運営し、さらに収益事業も行うことで、維持管理費の圧縮を図ろうという動きが多く見られる。また建設時の事業費を民間が負担し、サービスを公共に提供して資金を回収するという手法(PFI)も増えている。
これらは民間企業に新たなビジネスチャンスとして期待されている。
各プロジェクトの裏側を支える仕組みを、ダイアグラムで解説している
この本は、プロジェクトスタディ、コラム、インタビュー、妄想企画の、四つのコンテンツで構成されている。
管理する人、運営する人、使う人、誰にとっても読みやすいよう写真とダイアグラムを加え、プロジェクトを解説した。
前半は「公共空間を使う4つのステップ」と題して、風景をつくってみる/仮設で使ってみる/使い方を提案する/本格的に借りてみる、の4段階に分けてまとめている。活用までに多様なアプローチや手法があることを知ってもらい、楽しい風景の舞台裏にある仕組みやデザインを理解し、チャレンジの参考にしてもらいたい。
公共施設の活用に実践で活躍するキーマン3人にインタビュー。左から、オンサイト計画設計事務所の長谷川浩己さん、R.projectの丹埜 倫さん、国土交通省の町田 誠さん
長谷川さんがランドスケープデザインを手掛けた「オガールプロジェクト」は、公民連携の新しいモデルとされる
後半のテーマは、シビックプライドをつくる/領域を再定義する/“公共”を自分事にする。新しい公共空間の可能性を広げる三つのメッセージでまとめた。
活用することが目的ではなく、活用によってどのようなことを目指しているかという、本質を貫いているプロジェクトを選んで紹介している。
南池袋公園では、カフェの売り上げの一部を「地域還元費」として公園の維持管理にあてる収益モデルを取り入れている
デンマークの多民族が共生するエリアの公園「スーパーキーレン」では、地域課題をデザインとプロセスで解決している(写真提供:PARKFUL)
この本は公共空間を活用するすべての人を応援する実践書である。
新たな一歩を踏み出すエネルギーに、あなたのチャレンジを阻む壁を突破する特効薬に、企業が成長するためのヒントにと、さまざまな場面で活用してもらえたらうれしい。
『公共R不動産のプロジェクトスタディ 公民連携のしくみとデザイン』
編集:公共R不動産
著者: 馬場正尊、飯石 藍、菊地マリエ、松田東子、加藤優一、塩津友理、清水襟子
出版社:学芸出版社
総頁:208頁
判型:四六判
定価:本体2,000円(税別)
ISBN:ISBN978-4-7615-2682-5
出版記念トークイベント
<東京>
日時:2018年7月10日(火) 19:00~20:30
会場:二子玉川蔦屋家電
<大阪>
日時:2018年8月4日(土) 20:00~21:30
会場:スタンダードブックストア心斎橋店
※詳細が決まりましたら「公共R不動産」のサイトでお知らせします
公共R不動産