

都会の古くて新しい居住について(2)
第2回となる今回は、リノベーションのプラン詳細についてお送りします!
田端のテラスハウス・リノベーション。2月24日(日)に、まだ工事が残る現場で見学会を行った。
50組以上の方々が来てくれて、工事中なのにもかかわらずほとんどの部屋が予約で埋まってしまった。空間を感じるリテラシーの高いお客さんが多く、きっと楽しい使い方をしてくれそうだ。入居された後には、取材がしたくなる空間になっているだろう。

今回は、各住戸の間取りの説明をしておこうと思う。テラスハウスの特性を引き出すべく、スタイルや楽しみ方が違う4つのタイプをつくってみた。
この間取りは畑とそれに面した縁側を持っている。畑は10平米以上の広さなので、実際ここで畑をつくり始めるとけっこう本格的なことになる。家庭菜園の域は少し超えているはずだ。縁側に座って、自分のつくった野菜を眺める生活を送りたい方、ぜひ!





室内はアイランドキッチン型と壁付けキッチン型の両方がある。ざくっと大空間派は壁付け、家事の途中にパートナーや子どもと向き合っていたいコミュニケーション派はアイランド型をお勧めしたい。
1階を思い切って全部、土間にした間取り。コンクリートの土間が大胆に広がっている。



玄関から靴のままの生活もOK、もちろん土足禁止にしてコンクリートの上に厚手のラグなどを敷いてもいい。鮮やかな色にすると、コンクリート土間とのコントラストが際立ってきれいだと思う。
例えば、家で仕事をしたり、ちょっとしたミーティングなどを想定するとこの間取りは便利。プライベートは2階に、外に開いた1階はセミパブリックに。完全に分離できるのでメリハリのある空間構成が可能になる。
庭も土間の続きと捉えコンクリートを打っておいた。使い手の自由度がもっとも高いプランだ。
最後は、1階の半分がフローリングで、半分が土間のモデル。


土間は屋外と室内の中間のような空間だ。そこは庭側の入口からもアプローチ可能なので、自転車やボード、植物やペットなどアクティブなモノたちをざっくり置くには格好のスペースになっている。

キッチンは庭を眺めながら気持ちよく料理ができる。
このテラスハウスの特徴のひとつは、南北に窓があって、そこを風が通り抜けること。だから2階は思いっきりワンルームにしてみた。

空間を区切りたい場合も想定し、天井からパイプ状のレールを付けておいたので、分厚いカーテンで空間を区切ってもいい。陽当り最高の空間だ。
都会に残る、数少ないテラスハウス。体験してくださった方々には、この空間的な魅力と可能性は十分に伝わったようだ。
一度消滅しかけたテラスハウス。しかし、人口減、環境重視、コミュニティーの再考、庭のあるゆとりの空間……。それは現代が欲しているさまざまな要素を持っている。これを機会に、新築でもテラスハウス復権を考えてみたいと、改めて感じされられた。
残り数部屋、興味がある方はぜひ、この空間を経験して下さい。
関連リンク:
団地R不動産コラム:田端のテラスハウス・リノベーション テラスハウスリポート


