2017.7.24 |
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第3回 そして僕らはどう動くのか
日本の街が面白く幸せであるために、新しいルールが必要なんじゃないか? というテーマのもと、西村 浩さん(都市・土木・建築デザイナー)と、東京R不動産の馬場正尊・林 厚見の3人で行った座談会の3回目。いよいよルールをクリエイティブに語る新しいウェブメディア立ち上げの話へ。
馬場:しかし何するにせよやっぱりカギは首長だよね。センスとパワーのある首長がドカーンとやらないと難しい。そういう人は増えてきているとは思うけど。どうやってブレイクスルーしていくんだろう?
西村:政治的にも“おいしい成功事例”っていうのが必要なんだよね。ルールが動くのは、これは問題だぞ、っていうことが起こったり、大きな政治的な方針がお上から下りてきたりしたときだけど、やっぱりいい成功事例の影響力は大きい。あるべき論をただ叫んでいても、なかなか動かないのも現実。
林:まずは小さな自治体の首長が、がんがんリーダーシップを取って成功事例を積んでいくのが近道なんでしょうね。隠岐の海士町みたいに小さな離島の町なんかだと、そもそもモンスターを恐れて無難なことばかりやっていたら沈んでしまうというのがあるし、何かを決めるときに反対者がいても膝をつきあわせて話していくこともできるから、そうした中で町長がどんどんリーダーシップを取っていますよ。
西村:首長の立場としては、基本的には「全体最適」のために必要であっても、不平等だと言われるようなことをいきなりやるのは簡単じゃないよね。前提として経済や防災の面で明らかにプラスになる、っていうロジックがあって、かつ住民に言わせるっていう構造が必要な気がする。
馬場:なんかさ、住民投票みたいなので工夫できないかな。
林:なるほど。ライトな住民投票のシステム。今は条例をつくらないといけない割には法的拘束力がないので、このへんも変わっていくべきなんでしょうね。
西村:あるいはクラウドファンディングっぽい感じで、支持する方のアイディアに税金を払うとか。「ふるさと納税」は微妙な制度だなと思う面はあるけど、税金を自分の意思で払うっていうこと自体は悪くない。街をどうつくるかっていうことについても、そういうのを絡ませたら面白いかもしれない。
林:うちで運営している下北沢の広場では、ちょっと音を出すととたんにクレームが入って、結果的に止めることになります。行政側がルールや運用をゆるめると責任を追求されるから、厳しくなる方にいくんだけど、そういうのも住民にどうあるべきかを判断させちゃうっていうのはありますよね。
西村:そうね。なんかこういう話は考えると色々アイディア出そうな気がする。
林:そういうことに僕らも知恵を出していきたいと思うんですよね。都市計画のルールってそう簡単に変えていけるものではないけど、国交省とかも民間の意見にはかなり真面目に耳を傾けてくれるようになってきているし、市民にいろんな知恵や考え方を広めて、空気を変えていくことは意味がある。ルールのデザインでも、もっとクリエイティブな発想ができるってことを、見せていくことが必要じゃないかと思います。
馬場:同時に、とにかく成功事例をガツンガツンとつくって、それを広めていくことだよね。うまくいってる事例やその根拠を、世の中に広く共有していくのも力になる。
西村:逆に、このルールのせいでこれができなかった、っていう事例の話もありだよね。それってルールが悪いんじゃないの? っていう気づきになるから。
林:ですね。この座談会は「街を面白く幸せにするために、ルールをどうしたらいいのか?」という話をするウェブメディアをつくるためのイントロという位置付けです。それはとにかく楽しくわかりやすくやるのが大事だと考えています。それが僕らの役割じゃないかと思うんで。そこからいろんなアイディア出しや提言もしていきたいと思います。
馬場・西村:いいね、やりましょう。
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