




山形R不動産リミテッド、とりあえず始めました
今度は山形!?
今度は山形!?
そうなんです、始めてしまいました。でも、山形の場合は今までのR不動産とは少し違います。というのは、これは山形にある東北芸術工科大学とのコラボだからです。
きっかけは、東京R不動産の制作ディレクターである馬場正尊が、この大学で特任准教授として指導をすることになったこと。「山形でもR不動産、やってくれよ!」という声に応えて始めてみました。
なぜ、「リミテッド」がついているかというと、二つの意味があります。
1. 機能が限定されていること
「不動産」という名称がついていますが、実際は不動産仲介を行わず、中心市街地の建物に対する使い方やデザイン、及びライフスタイルを提案することを主な目的としています。
2. 期間が限定されていること
実験的な意味合いが強いので、まずは半年間をメドにやってみます。そこで反響が大きかったり、具体的な仕事や街の活性化につながって必要性が認められれば継続していくかもしれません。
運営しているのは主に東北芸術工科大学の学生たちなので、実践的な教育の一環としての意味合いも含んでいます。こういう活動を通して、日本に新しい空間と物件の読み解き方をする人々が育って行けばおもしろいことになると思っています。不動産仲介の有無という違いはありますが、都市や建物の新しい使い方、可能性を発見し、提示して行くという意味で、東京R不動産と目的を共有しています。
東京R不動産が培ってきたノウハウが地方都市の中心市街地の再生に、どのように貢献できるかを検証する狙いもあります。
日本じゅうの商店街は今、空洞化に苦しんでいて、さまざまな活性化案が考えられていますが、どれもうまくいっていないように見えます。それは商業地を、商業で再生しようとしているのに無理があるのではないか? と思っていました。それでは機能が同じなので、変わりようがない。
山形R不動産で提案していきたいのは、まちなかを「住む」エリアとして捉え直すこと。なぜ、そこに考えが至ったか? 理由は案外単純です。
学生たちに「郊外に住みたいか、まちなかに住みたいか?」と訪ねてみると、「そりゃ、飲み屋もバイト先も近い街なかも、住む場所としてはありだと思います。でも、住む場所がないんです」という答えが返ってくるのです。しかし、実際のまちなかを眺めると空き物件はたくさんある。問題なのは、それらがすべて店舗や事務所で、「住む」ための場所ではないこと。要するにミスマッチなのです。本来、ニーズがあるかもしれない居住機能が、今、まちなかには用意されていないのです。交流人口が増えない一因はここにあるのでは、と思い始めました。
どうせ空いたままにしておくなら、街のためにも、安く学生や若者の活動のために貸して、一肌脱いでくれる有志だっているかもしれない。みんな再び街に若い人々の声が戻ってくることを望んでいるのだから。実際、空き物件をギャラリーやショップに改造したい人間たちはたくさんいるはずです。
まずは行動、ということで、山形R不動産のプロジェクトチームでは、古い空き旅館を改造して、学生たちのシェアアパート+ギャラリー/カフェをつくることに挑戦し始めています。コストや用途変更のための行政との調整など、乗り越えなければならない壁はいくつもありますが、これが山形のまちなか再生の一歩だし、学生たちがそれを経験すること自体、街にとっても大きな財産です。そのなかから将来、街を変えていく人材が育つかもしれないから。
山形R不動産は、この街の潜在的な力を再発見し、そして新しい使い方を提案していきます。このような活動を通して、具体的なビジネスや活性化手法の発見につながっていけば幸いです。
まずは、あたたかく見守ってください。
山形R不動産リミテッド

