



第1回 「京都らしい京都」西陣
京都R不動産オープンに向けて行う集中連載。前回の予告編に続いて、いよいよ本編スタートします! 毎回、原稿の最後に物件も紹介していきます。まず始めは「西陣」です。

京都はそこまで大きい街ではないけれど、エリアによって街の雰囲気が結構違う。この連載では、いくつかのエリアをピックアップして、それぞれのエリアの特色を伝えていきたい。
京都の街は、築数百年を越える京町家の横にビルやマンションが建っていたりして、実は凸凹な街の姿をしている。京都を代表する建築物、京町家についても、飲食店や旅館として利用されていることも多く、「人が暮らす場所」というよりは「商いの場所」としての印象が強い。しかし今回紹介する西陣エリアは、街並みの統一感や手頃な京町家に住めるという点も含めて、多くの方が想像する「京都らしい暮らし方」ができる街かもしれない。
言うまでもなく西陣織の産地としても有名。名前の由来は、応仁の乱の時(1467年)に西軍が陣を敷いたからといわれており、京都盆地を見下ろせる緩やかな丘の上に位置している。上京区から北区にかけて広がる京都盆地でもやや北のエリア。駅でいえば市営地下鉄の「鞍馬口」駅が近い。

平安遷都前に既に織物づくりで知られていた西陣はれっきとしたモノづくりの街だ。 カッシャンカッシャンという機織りの音が、耳に心地よい。昔ながらの風景が面影をとどめ、両側に町家がズラッと並んでいる通りが多く残っているのは京都でもこの辺りだけ。

もともと観光地ではないため、条例で残した景観でもなく、商用に外観を故意にしつらえた京町家でもない、リアルな京都の生活の風景が見られる場所だ。付近には北野天満宮があるが、公共交通がバスだけなので、観光地化され過ぎずに今の形が残ったのかもしれない。



現在は、小規模だが個性的なショップや、ガラス工房など、クリエイティブでユニークな人や店が集まっているエリアだ。テナントとして普通に出店を考えれば、人が多い中心地を考えがちだが、ここで店を出す人たちはそれとは別の優先順位を持っている。
そこにあるモノを受け継ぐ精神が共有されており、既存の建物を生かした店舗が目立つ。大正12年築の公衆浴場・船岡温泉(重要文化財)が西陣にあり、今でも現役だ。そしてそこから歩いて5分のところにある、同時期に建てられたもう一つの歴史的銭湯は、銭湯としての役目は終えたが建物がなくなることを危惧した方が引き取ってカフェとして再生。人々が集まる人気スポットになった。

また、ゲストハウスという名前がまだ一般化する前の2005年にオープンし、伝説のゲストハウスとして知られるようになった「月光荘」もこのエリアにあり、1泊2,000円で泊まれて街になじみながら滞在することができる。タオルなんかもバーッとベランダに干してあり、リアルな生活感を醸し出している。


街を行き交う人たちもどこかゆったりと落ち着いていて、肩肘張っていない感じが良い。等身大の京都を感じられるエリアだ。





京町家に住む場合気になるのが、建物の状態だろう。築年数が経っているほとんどの町家は柱や床が老朽化している。しかし、それを上手に修繕し風合いを生かして改装することで他のどんな建物にも出せない空間ができあがる。
2017年1月20日、京都R不動産がオープンしました。
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