news 2015.12.7
 

12/18(金)内覧会&トークイベント開催!

馬場正尊(東京R不動産/Open A)
 

Open A/東京R不動産チーム+塚越宮下設計の設計で、築43年のオフィスビルをリノベーションした。コンセプトは「みんなの空間があるオフィス」。その建物で、12月18日(金)に内覧会とトークイベントを開催!設計を担当した塚越智之と馬場正尊が、田中陽明さん(co-lab 企画運営代表)を招き、「Public in office -オフィスの中にパブリックが介入する風景-」と題してワークスペースの現在について語り合う。

※イベントは終了しました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました!

築43年のオフィスビルをリノベーション。ここを会場に、トークイベントと内覧会を開催。

仕事が変わればオフィスも変わる

オフィスに求められる雰囲気や機能が変わってきている。やるべきことがシンプルだった時代、そこに求められたのは合理性や機能性。必然的にいつもオフィスは、便利で無駄のないレイアウトに収まっていた。

でも最近、仕事のモードに変化が訪れようとしている気がする。
ソロワークからチームワークへ、作業からクリエイションへ、物量から成果へ、多くの会社で仕事の質が変わりつつある。そうなったときオフィスは、個人の執務空間だけではなく、みんなの空間、つまり「パブリック」としての空間がより重要になってくる。

このプロジェクトでは、オフィス空間の中に半ば強引に“パブリックな要素”を挿入してみることで、新しい仕事の雰囲気がつくれないかを試みている。

パブリックな要素とは例えば、公園、教室、カフェ……。
僕らが親しんできた、なじみ深いこんな場所。その空気がオフィスの中にあることで、仕事のモードや働き方が変わるのではないだろうか。より活発なコミュニケーションやクリエイションが生まれるのではないか。このプロジェクトでは、そんなパブリックなデザイン要素を空間にちりばめている。

プロジェクトの舞台となるこのオフィスビルでは、例えば1階は建物と道路の間にウッドデッキを張って、中間領域をつくっている。そこは小さな広場のように扱われ、テーブルとイスを出してミーティングしてもいいし、通りがけの人がくつろいでもいい。

他のフロアでも、オフィスの中に庭のような空間をつくったり、壁一面がホワイトボードであたかも教室のような雰囲気になっていたり。空間の真ん中に大きなキッチンがあって、オフィスの中の井戸端のようになる想定をしたプランもつくった。

今回そんなオフィスビルを会場に、「co-lab(コーラボ)」を運営する田中陽明さんをゲストに招いてトークイベントを開催する。

co-labのパブリックスペースは、新しい仕事を生み出している

co-labとは、都内6カ所に展開するクリエイティブプラットフォームである。近頃シェアオフィスはどんどん増えているけれど、co-labはそれらとは一線を画している。そこでシェアされるのは空間ではない、プロジェクトなのだ。

クリエイティブプラットフォームのダイアグラム。

特徴は、複数の個人や企業が空間だけでなく仕事を共有していること。
その名の通りコラボレーションワークが活発なのだ。そしてそれを支えているのが、上の図でボックスの中にある「パブリック」にあたるのではないかと、『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』(※1)という本の取材に行ったときに気がついた。

co-labにおけるパブリックとは、それぞれの執務空間の間に存在する共有のミーティングスペースや作業場である。

6カ所のco-labでは、その場所ごとにパブリックスペースの雰囲気が違う。ものづくり、IT、デザイン……。中心となるコンセプトや業種によって自ずと共有する雰囲気が違うのだ。そういう意味で、この空間が各々のco-labを特徴づけているともいえる。

そのパブリックスペースでは日々、さまざまなミーティングやディスカッションが行われ、新しい発想や仕事が生まれている。今回、田中陽明さんにはそこで起こっているさまざまな事象について話を聞きたいと考えている。オフィスの中にパブリックが挿入されることによって、何が起こるのか。その秘密を探っていきたい。

co-lab代官山。共用のスペースは打合せやイベントに使われる。

「みんなの空間があるオフィス」内覧会も同時開催

会場となる建物は、築43年のオフィスビル。
場所は日本橋小網町。茅場町駅から歩いて4分で、大きな交差点のすぐ近くにある。以前このビルは、全8階のうち1階が店舗、2階から上は各階130平米ほどでいくつかの事務所が入居していた。

一見、普通なビルのようだが、道路と建物の間に空きスペースがあったり、天井を抜けば3mの天高が確保できたりと、魅力が隠れたビルだった。

今回のリノベーションでは、その隠れた魅力を生かしながら、オフィスの中にパブリックの要素を挿入して空間をつくった。1フロア1テナントで全8区画。主なプランを説明しておこう。

【1階 ウッドデッキがある飲食・物販店舗/オフィス】

このビルは、少しだけ道路からセットバックして建物が建っている。
そのおかげで、道路側に少し開けたスペースができている。1階はそのスペースをウッドデッキとしたプランだ。

また、共用部のエントランスホール内に街頭時計に見立てた少し大きめの時計を設置した。ウッドデッキと大きな時計で、ビルの前が街の中の広場のようになったと思う。

【2階 テラスプラン】

2階は、道路側に大きな開口部がある。
そこの床を窓の下端まで上げてウッドデッキとすることで、2階でも屋外のように感じるスペースをつくってみた。加えてガラス戸も付けて、使い方によっては仕切れるようにした(借主負担のオプション工事)。まるでテラスのような場所を商談やアイデア出し、ランチ休憩などに使って楽しんでほしい。

【3階 ホワイトボードプラン】

3階は、柱によってできた凹凸を収納スペースとし、その扉をホワイトボードにしている。壁一面がホワイトボードとなったプランだ。この壁を打合せや掲示板にすることで人が集まり、適度な人の動きや会話が生まれると思う。収納によって室内はすっきりし、ホワイトボードで情報交換ができる。一石二鳥のプランになっている。

【4階 カフェプラン】

このプランでは、オフィス空間において隅っこに配置されがちな給湯スペースを、部屋の中央に設置した。オフィス全体をカフェのように見立て、大きなキッチンを中心に置くことで、人の動きや風景がカフェの中で働いているかのような雰囲気をつくりだしてくれる。休憩やちょっとした打合せなど、キッチンを積極的に使ってみてほしい。

【5~7階 選べるプラン】

5~7階の3区画はスケルトンの状態。期間限定でプランを入居者が選べるようになっている。選択肢は、上の「テラスプラン」、「ホワイトボードプラン」、「カフェプラン」の3つ。1月中旬までに申し込みをしてもらえれば、希望のプランに工事をして引き渡す予定になっている。上の階は北側にも窓があり、明るさや開放感があるので、ぜひスケルトン状態の現地で出来上がりの空間を妄想してほしい。

他にも、8階には住居兼オフィスとして使える区画もある。
最上階で日当たりがよく、ルーフバルコニーもあるこの区画では、住居とオフィスの間にあった段差を生かして縁側のような空間をつくってみたので、面白く使ってもらえると思う。

ちなみに、交差点に面した隣のビルは、昨年Open Aと東京R不動産チームでリノベーションを手掛けたオフィスビルで、1階は「STREAMER COFFEE COMPANY」というコーヒースタンドになっている。テイクアウトもできるので、温かいコーヒーを飲みながら内覧を楽しむのもいいかもしれない。

■小網町第二ビル 内覧会&トークイベント
※イベントは終了しました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました!

開催日:2015年12月18日(金)

〈第一部〉内覧会
時間:16:00~18:00
会場:
小網町第二ビル:東京都中央区日本橋小網町11-9 MAP
神田須田町ビル:東京都千代田区神田須田町2-1-1(旧本間ビル) MAP
※同時期に竣工する神田須田町ビルの内覧会も同時に開催します。
※時間内は2会場どちらも自由にご見学いただけます。

〈第二部〉トークイベント
時間:19:00~21:00
会場:小網町第二ビル 3階
テーマ:「Public in office -オフィスの中にパブリックが介入する風景-」
ゲスト:田中陽明さん(春蒔プロジェクト株式会社 代表取締役/co-lab 企画運営代表)
出演:馬場正尊(株式会社オープン・エー 代表取締役)
   塚越智之(塚越宮下設計)

※イベントのご予約は不要ですが、当日の参加人数把握のため、参加ご希望の方はお申し込みをお願いします。
※参加人数によって立ち見になる場合がございます。ご了承ください。

※1 『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』に田中陽明さんのインタビューを掲載しています。詳細については、下のリンクをご確認ください。

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