DIYマスターへの道(1)
あなたは東急ハンズを使いこなしていますか?
いざお店に行ってもズラッと並ぶ専門的な道具を見て「どれを買えば良いのか分からない」というDIY初心者もいらっしゃるのでは。
そんな方のために今回は「東急ハンズの歩き方」をお送りします。講師を務めるのは東京R不動産のディレクターであり、建築家の馬場正尊です。これを読んだら、次回からはもう店内の隅から隅まで使いこなせるようになっているかも?!
※取材は東急ハンズ渋谷店にて行いました。

東京R不動産ディレクター・馬場正尊

まずはB1Cフロアへ直行

コンクリートや石膏ボードの壁にアンカーは欠かせない

これがアンカー。壁の素材によっても違うので注意。

意外な盲点。下穴を開けるためのドリル刃のサイズを間違えると泣きをみる。
東急ハンズ渋谷店の場合、DIYを試みるならまず地下に行くことをおすすめします。塗料やフローリングの仕上げなどに使うオイルステインを置いているB1A、木材の加工ができるB1B、アンカー金具をはじめとした金物類や工具を扱っているB1Cと、改装やリノベーションに必要な材料や道具は、ほぼ地下のフロアに集中しています。またB1Cの金物コーナーではどうやって使う部品なのか解説したディスプレイ・ボードがあるので、初心者でもわかりやすい。
これはホームセンターには見られない、東急ハンズならではの良さです。商品単価の安さから言えばホームセンターの方が勝っていますが、初心者ならまず東急ハンズで基本的なことを覚えて、それからホームセンターを活用する、というのが良いかもしれません。
あと、よく使うのは6Aの照明器具コーナーかな。天井の照明をライティング・レールに変えたい人などはここに行くと良いと思います。
そんなときに役立つのがアンカーです。アンカーとは、ドリルで下穴を開けた後に差し込むと壁の中で先端が傘のように開いて食い込み固定される仕組みになっているプラグのこと(上写真参照)で、これを使えば重いものを壁から吊り下げたりすることができます。釘やネジでは効かない天井にピクチャーレールを取り付けたいときなどにもこのアンカーを使えば可能です。東急ハンズでは、B1Cフロアに置いてあります。石膏ボード用、コンクリート用などさまざまな種類があります。
石膏ボードは、もともとそんなに強い素材ではないのであまり重いものを支えるには向きませんが、絵を掛けたり、ちょっとした棚を付けるのならアンカーを使えば可能になります。コンクリートの壁だったら、コンクリート用アンカーを使うことでかなりの重量を支えることができるようになります。
このとき注意しなければいけないのは、アンカーを打ち込むために先に下穴を開けておくのですが、そのために何ミリの太さのドリル刃を使えば良いかを間違えないようにすること。通常はアンカーよりも0.5~1ミリ大きいものを用意しますが、分からなければ店員さんに聞きましょう。あと、木工用と鉄・コンクリート用でドリル刃は異なるので、それも気をつけて下さい。


金具も発想次第でいろいろな使い方ができる

チャンネルフックをふたつ合わせて設置すればカンタン吊り棚ができる

キャスターをテーブルの足の代わりにして、天板をとりつければローテーブルが出来上がる。

クランプを使えばワイルドな棚に。既製品の棚で済ますならスチールラックがお値打ち。

以前コラムでご紹介した“ HUSKY”にガラスの天板を乗せれば、ちょっとリビングのテーブルっぽくなる。
――棚を賢く安くつくるにはどうしたら良いですか?
壁に直接、棚を取り付けたいなら最も簡単なのはアパレルのショップなどでもよく見かける、棚受けレールを使うやり方があります。レールを取り付けたらその穴にフックを引っ掛けるだけで棚の高さを自由に変えることが出来て、結構な重量にも耐えられるので初心者にはおすすめです。ただし、レールの線が見えるのが、見栄えとして好きではないという人もいるかもしれません。
それから、クランプを使う方法もあります。クランプは本来、建築現場の足場を組むときに使用するものですが、すごく丈夫でワイルドな感じの棚をつくることが出来ます。
ちょっとした吊り棚なら、チャンネルフックと板だけでもつくることができます(上写真)。金具を使うときの初心者が間違えやすいポイントのひとつに、ネジのサイズがあります。ネジ穴の大きさにあったサイズのネジを選ぶように注意しましょう。東急ハンズでは、いろいろな太さのネジのサンプルが取り付けられているボードがあって、そこに金具を通してみればネジの正確なサイズを確かめることができるようになっています。これを活用してみてください。
なお、既製品で済ませたいという方なら4A家具フロアにあるスチールラックが安価で便利でしょう。「エレクター」というブランドが有名で、つくりはシンプルですが非常に丈夫です。どんなモノにも対応できる汎用性の高いアイテムです。若干安い別ブランドもあるので、用途などに応じて使い分けると良いでしょう。
――では机は? 簡単につくるための使えるテクニックやアイディアがあれば教えて下さい。
実は一からつくるより既製品をカスタマイズして使う方が案外リーズナブルだったりもします。例えば、このキャスター(上写真)。これをテーブルの足の代わりにして、天板をくっつければそれだけでローテーブルができてしまいます。これならキャスター四個+天板で合計しても3万円くらい。また、以前に東京R不動産のコラムで紹介した"HUSKY BRACKETS"などを使っても簡単にテーブルがつくれますが、天板を強化ガラスの板にすればそれだけでも雰囲気が違って見えます(「無印良品」などで購入可能)。
あるいは、B1Bの木材加工コーナーを使って自作するのも一つの手でしょう。利用したことがある人もいると思いますが、ここでは自分が描いた図面通りに木材をカットしてくれます。ただし、初心者の場合、寸法を微妙に測り間違えて後で泣きをみることも。それを回避するためには、図面の他に“完成図のラフスケッチ”を描いて持っていくことをおすすめします。スケッチを店員さんに見せて、こういうものがつくりたいと相談をすれば、寸法の間違いを直してくれたり微妙な調整をしてくれるはずです。

木工コーナーでカットを頼むときは、図面と合わせて完成イメージのスケッチを持っていくと良い。

木の自然な仕上げに使うのがこれ、オイルステイン。柿渋もおすすめです(乾くまで臭いですが。。)

――家具やフローリングなどの仕上げをするときに、木の自然な風合いを出すにはどうすれば良いですか? ニスのテカテカした感じが好きではないのですが。
それならオイルステインもしくは柿渋を使うと良いと思います。東急ハンズでは塗装剤や接着剤などの素材系が揃うB1Aで売っています。真新しい家具やフローリングなどの木材にオイルステインや柿渋を塗ると渋くて良い感じの色になります。また防水加工にもなる。オイルステインや柿渋には色もいろいろ揃っているし、東急ハンズの場合、実際に塗装見本などもあるので、どんな色にしたいか見て参考にしながら選ぶことができますよ。

照明をライティングレールに変えると空間の雰囲気がかなり変わります。

東急ハンズの優れたところ。実際にライトを点けてどれを買うべきか検討できる。

工事現場用のライトをオフィスや住宅で使うと意外にいい感じ。

――ギャラリーやお店でよく見かけるような、天井のレールにスポットライトを付けた照明はどこで買うことができますか?
それは 配線ダクトレール 通称:配ダク。またライティング・レールとも言う)と呼ばれるもので、6A照明フロアで扱っています。なぜか住宅ではあまり使われていませんが、好きな位置にスポットライトを取り付けられるのでおすすめです。ただ設置には電気工事業者に頼む必要がありますが、最近では簡易式のものも出ている(無印良品などでも販売)ので、これなら天井の電灯用電源に差し込むだけで、自分でも簡単に取り付けられます。
――電球にもいろいろな種類があって、どれを選べば良いか悩んでしまうんですが……。
光にも人それぞれ好みがあると思いますが、東急ハンズの照明フロアでは電球を実際に点灯させてみることのできるディスプレイ・ボードがあるので、どのライトが良いか実際に確かめてから購入できて便利です。電球の種類で言うと、光がきれいなのはハロゲンランプやレフランプ。これらは白くて鮮やかな光ですが、寿命が短くて高価。電気代も高くて、蛍光灯の10倍くらい掛かってしまいます。電気代が一番安く済むのはやはり蛍光灯です。寿命が長く、消費電力が低い。また蛍光灯には電球色と昼光色の2種類があります。電球色は電球の光に近く、昼光色の方は自然光に近い感じです。
その他ちょっと変わった照明アイディアとして、工事現場用のライトを部屋でインテリアとして使うとそのラフな感じがかえって良かったりします。また値段が破格に安い。けれどもその反面、消費電力がかなり大きいから電気代が高くなるというデメリットもあります。ともあれ迫力のある光を作りたいというときには一つのアイディアでしょう。
東急ハンズをより楽しく、使いやすくするための「東急ハンズの歩き方」はいかがでしたか? DIY初心者でも簡単に取り入れられる専門用品って気づいていないだけで結構あるものです。なお、馬場氏によれば、「東急ハンズをぐるぐる回っていて頭が混乱してきたら7Aのカフェレストラン『ボルツ』がおすすめ! ここでプランを練り直してから買物の続きをすると良い」とのことです(笑)。次回は「ホームセンターの歩き方」をお届けする予定です。どうぞお楽しみに!
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