


書籍発売『団地のはなし〜彼女と団地の8つの物語〜』
団地R不動産が企画・編集した本が発売! 小説家の山内マリコさんと松田青子さん、詩人の最果タヒさん、そしてモデル・女優の菊池亜希子さんなど。今を時めく8人の女性たちの目線から描いた団地の暮らしを、一冊の本にまとめました。4月末から大阪、京都、東京と、順にトークイベントを開催しますので、こちらもぜひ!

表紙は連なる団地の建物をイメージしたデザイン。手に取るのが楽しい本です
窓の数だけ、物語がある! まさにそれが団地に暮らす魅力だと思うのです。
そこにはどんな人が、どんな暮らしをしているのだろう? そんな風に思って眺めると、均一に見えていたたくさんの窓一つ一つに、違う色の明かりが灯っていることに気付きます。
ちょっと気になるその世界への扉を開いてくれるのは、今を時めく8人の女性たち。
彼女たちが感じた、団地の暮らし。ストーリーをたどることで、その世界を体験してもらうのが、この本『団地のはなし〜彼女と団地の8つの物語〜』です。

注目の新星カシワイさん。独特な抜け感の作風が、団地の世界とピッタリ合っています
まずはストレートに物語を紡ぐ小説とマンガからご紹介。小説では大人気の若手作家、山内マリコさんと松田青子さんに執筆をお願いしました。
山内さんが描くのは、エストニアからの留学生マーリカの目を通して見る団地の暮らし。巧みな設定と、軽妙な面白さの向こうに、小さな心の触れ合いが描かれています。
「団地団」という、団地が登場する映画や文学などを熱くマニアックに語るユニットのメンバーでもある山内さん。自身初となる、団地文学に挑戦です。
松田青子さんの作品は、階段を挟んで部屋と部屋が向き合うという、団地の構造を生かしたストーリー。向かい合って住む20代と40代の二人の女性は、下の名前の読みが同じ。そんな松田さんらしい設定を聞いただけでも、きっと想像が膨らんでくるはず。数年の時をかけて、そっと重なり合う二人の人生に、自分らしい生き方の形が見え隠れします。
そしてマンガ界からは、注目の新星カシワイさんが登場。独特な抜け感のある表現が魅力的な彼女の作風は、まさに団地と抜群の相性。二部構成で描かれる作品の、時間と空間の連なりに、思わずハッとさせられます。

菊池亜希子さんのフォトストーリー。団地での暮らしを、映画のような目線で切り取ったという、人気写真家の濱田英明さんの写真
続いては、幅広い層から人気を集める菊池亜希子さんです。
モデルとして、女優として、そして『菊池亜希子ムック マッシュ』では編集長としても活躍。学生時代に建築の勉強をしていた菊池さんは、子どもの頃から大の間取り好き。時代の変遷とともに移り変わってきた団地の間取りを手掛かりに、理想の住まいへと思いを巡らせます。
人気写真家の濱田英明さんが撮り下ろしたフォトストーリーも見逃せません。

団地に住み、団地の短編マンガを執筆する石山さやかさんを、茂木綾子さんが訪ねました
「老後には女友だちが集まる団地をつくりたい」と語るのは、ジェーン・スーさん。コラムニスト、ラジオパーソナリティーとして活躍する彼女が対談するのは、作家でジャーナリストの佐々木俊尚さんです。
近著『そして、暮らしは共同体になる。』では、シェアハウスなどコミュニティに開いた住まいのスタイルから、これからの暮らしのあり方を読み解いた佐々木さん。その像はジェーン・スーさんが思い描く理想の老後と重なって、団地に新しい暮らしのイメージを浮かび上がらせます。
他にも、映画監督で写真家でもある茂木綾子さんが、団地に住みながら団地の短編マンガを執筆する石山さやかさんを訪ねるフォトエッセイや、写真家の黑田菜月さんによる団地フォトストーリーなどなど。
実は表紙のアートワークがイラストレーターNoritakeさんの作品というのも注目ポイントです。大島依提亜さんによる斬新な装丁デザインも相まって、素敵な一冊になっています。

最果タヒさんの詩には、大島智子さんにイラストを描いてもらいました
そして大人気の詩人、最果タヒさんにも詩を書いてもらいました。
その内容は読んでのお楽しみですが、いただいたコメントが素晴らしかったので、最後にご紹介したいと思います。
「命や生きるという言葉を大切にしてきたがために、暮らしや生活といった身近な言葉の尊さはなかなか視界に入ってこない。というより、それらに気づくのはいくつも生活を重ねてこそなのかもしれず、団地のあの窓の光が愛おしく見えるのも、自分の中に積み重ねた暮らしが、窓のように点在し、光り始めたからかもしれない。詩を書く間そんなことを考えました。」

斬新で素敵な装丁は大島依提亜さんのデザイン。アートワークは作品を目にしない日がないほど活躍中のNoritakeさん。普段とは全く違う作風で描いていただきました
『団地のはなし〜彼女と団地の8つの物語〜』
編著:東京R不動産
出版社:青幻舎
判型:四六判
総頁:144頁
定価:本体1,500円+税
ISBN:978-4-86152-615-2 C0095

書店でのトークイベントもいくつか行う予定です。
4/30の昼には大阪の「スタンダードブックストア心斎橋」で、5/2の夜は京都の「恵文社一乗寺店」で。その後、東京でもイベントを考えています。
関西での2回は、「OURS.KARIGURASHI MAGAZINE」というウェブサイトと、合同でのイベントです。彼らも3月に『#カリグラシ 賃貸と団地、貸し借りのニュー哲学』という本を出したばかり。
各回2人のゲストを招いて、4人でトークをします。
大阪では、デザイナーであり団地暮らしの経験もある原田祐馬さん(UMA / design farm代表)と、UR都市機構の小正茂樹さんをお迎えして。
京都では「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」を手掛けたアーティストの矢津吉隆さんと、“新世代の不動産プランナー”として活躍する岸本千佳さんが登壇してくださいます。
各回ともに、団地R不動産からは千葉が、OURS.KARIGURASHI MAGAZINEからは竹内 厚さんが参加します。
団地と賃貸をテーマにした2冊の本ですが、トークイベントではその枠を超えて、暮らしや建物、地域のこれからの可能性についても、お話できたらと思っています。
お時間があれば、ぜひ遊びに来てください。
それから4/24の「団地団」のイベントでも、この本のことを取り上げてもらえるみたいです。僕らは出演しませんが、本でインタビューをさせてもらったマンガ家の石山さやかさんが出演します。こちらもぜひお楽しみに。
『団地のはなし』『#カリグラシ』合同刊行トークイベント
<大阪>
「団地の物語とニュー哲学」
日時:2017年4月30日(土) 12:00~(11:15開場)
出演:原田祐馬さん、小正茂樹さん、竹内 厚さん、千葉敬介
会場:スタンダードブックストア 心斎橋 BFカフェ
住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋2-2-12 クリスタグランドビル(MAP)
参加費:1,000円(1ドリンク付)
参加方法:スタンダードブックストアのホームページでご確認ください
イベント情報ページ(スタンダードブックストア)
<京都>
「不動産の可能性、そのとき団地は…」
日時:2017年5月2日(火) 20:00~21:30頃(19:30開場)
出演:矢津吉隆さん、岸本千佳さん、竹内 厚さん、千葉敬介
会場:COTTAGE(恵文社一乗寺店)
住所:京都府京都市左京区一乗寺払殿町10 恵文社一乗寺店 南側(MAP)
参加費:1,000円(今回の2冊いずれかを購入された方は無料)
参加方法:COTTAGEのホームページでご確認ください
イベント情報ページ(COTTAGE)
