住宅 | ||||||||||||||||||||
直線からの脱却 |
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スコットランド出身の建築家、故キャサリン・フィンドレイ氏と、牛田栄作氏による設計の「TRUSS WALL HOUSE」。小田急線の車窓からチラリと見え、鶴川駅近くに立つこの建築物をご存知の方も多いと思います。 「えっ?」という感じで突如現れる、巨大な生き物のようなインパクトある外観。 このぐにゃりとした自由曲面のつくりは、フィンドレイ氏と牛田氏が得意とする、トラス・ウォール工法と呼ばれるものです。 彼らは、ほとんどが四角い箱の形で建てられる駅や学校、病院の姿に、地球上に存在する生き物の形の多様さに比べ、人間のつくり出す形はなんと単調なのだろうと考えたんだとか。 そこで外観と内部をできる限り曲面とすることで、長い進化に根をもつ生命の記憶を建築空間に投影し、直線的なものからの脱却をするという意味を込め、実験的にこの家をつくったそうです。 コンセプトの通り、玄関を開ければ直線的なものは視界からほとんど無くなります。 建物の構造としては、1階が中庭付きの広いリビング。そして地下1階へと潜っていくようなつくりです。 はたして住みやすいのかな?と思うかもしれませんが、リビングは天井が高く開放的。中庭からは、屋上へ上がることもできます。 地下へ潜ると、異世界へ引き込まれていくような感覚に。地下1階には主に、寝室・浴室・トイレなどの機能があります。この感覚はぜひ現地で体感してもらいたいです。 給排水設備の修繕、浄化槽ポンプの修繕、給湯器取り替え、内外壁塗装などの修繕工事を2020年に実施していて、オーナーは直近まで使用していました。 エアコンやキッチンまわりなどは前オーナーの時代から手を入れておらず、今後修繕が必要になる部分がありそう。建物の躯体と一体になっている造作、特注品の設備などが多いので、大幅に修繕をしようとすると費用がかかるかもしれません。 また目の前が線路なので、電車の音は日常的に聞こえます。 場所は小田急線の鶴川駅から徒歩5分。あまり聞き慣れない駅かもしれませんが、新宿駅までは「快速急行」を利用すれば35分程で出ることができます。 フィンドレイ氏と牛田氏の現存する作品は、おそらく10棟もありません。この「TRUSS WALL HOUSE」も、建築当時は雑誌などにも多く取り上げられており、知る人ぞ知る作品かと思います。 その未来感ある雰囲気や、想定外のビジュアルに衝撃を受け、日本に数点のみ点在する彼らの作品を探しに、はるばる出かけられる方も少なくないのだとか。 僕個人としても、ご紹介できることを誇りに思います。 ■本物件は検査済み証を取得していないため、住宅ローンの利用は不可になります。 ■見学目的のみのご内見はご遠慮いただいております。 |
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1階:中庭側は南向きのため、気持ちいい光が差し込んできます |
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1階:備付けソファのクッションは直近で張り替え済み |
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1階:中庭部分。特徴的な丸い石が敷き詰められている |
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1階:周囲とのギャップに驚く外観 |
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