第17話 江戸きんの謎
三箇山 泰が、不動産屋の目線から、浅草のラーメン屋を語ります。

江戸きんの今
この名前でピンとくる人は結構マニアです。
何マニアって??
ラーメンマニア。
自分はひよっこラーメンマニア。
江戸きんというのは麺屋武蔵の浅草店のサブネームです。
麺屋武蔵は……皆さん知っていますよね? 新宿で伝説を作ったラーメン屋さんで、現在は9店舗、いろいろな場所に全て違う味でお店を作っています。この麺屋武蔵は僕の中ではものすごくマーケティングがしっかりしているラーメン店。基本的に間違いないエリアで間違いない味でラーメン屋を開業する。そして、全ての店が繁盛店。ラーメン業界では一つの無視できない形を作っている。すごいんです。

こんな最高の立地です。
かたや。
浅草というエリア。
ラーメンといえば東京となって久しい昨今。
観光客も仕事をする人も住んでいる人も多く、ラーメン店が繁盛してもおかしくない立地。麺屋武蔵江戸きんはそんな浅草雷門脇(台東区浅草1-2-1)にオープンし、約2年で閉店したお店です。
マーケティングに優れた麺屋武蔵直営のお店で、さらに浅草雷門脇の最高の立地にもかかわらず閉店に追い込まれているんですよ。これ分かる人には分かると思うのですが本当に謎なんです。そしてこれが浅草の謎、というかハードルでもあります。
ちなみに江戸きんの50メートル離れた場所に豚骨ラーメンの名店田中商店の姉妹店「中華そばつしま」があるのですが、そこも苦戦しています。と、僕が断じるのもなんですが、、田中商店本店の繁盛ぶりに比べると明らかに迫力が足りない。

そして中華そばつしま(現在祝日13時)
多分理由は簡単で浅草で定期的にお金を落とす人はラーメンを食べないし、観光客にとってはラーメン以外に選択肢が多すぎる。
つまり他の店に行ってしまうということなんです。
いや、これ書くのは簡単なのですが、、、
今どきどんな場所でもラーメン屋が幅きかせているのに浅草では無理なんですよね。これだけの自立を現在も保てている場所って実は相当少ない。僕が今さくっと思いつく範囲で銀座、神楽坂、新橋、自由ヶ丘、、、、
なんとなくそのくらいです。他のエリアはラーメン屋にしっかり客がつく。ものすごく端的ですけど。

こちらは江戸きんが移転?してできた秋葉原麺屋武蔵武仁。
以前、いろいろなエリアを回っているとき、すごく注意して見ていたのがパチンコ屋です。パチンコ屋もラーメン屋もけなすわけではないのですが、パチンコ屋が無いことって住民の総意の気がしたんですよね。(街並条例とかでパチンコ屋の出店を阻止しているのも含めて)そして、パチンコ屋が無い街は楽しい街のことが多かった。

個人的おすすめメニューのカレーつけ麺。
僕はラーメンマニアの端くれとして、できればあらゆる駅に一つは食べたくなるようなお店があってほしいわけですが、江戸きんを通して住民のメッセージを見たような気になったんですよね。
そして、浅草で新しく不動産屋をやるのってものすごく厳しいんだろうな、って。
ま、考えすぎかもしれないんですけど。

浅草エリアの時代がやってくるのではないか?!それが私たちの仮説です。日本橋エリアを見つけた時の感覚と同じものを、東京のさらに東側の浅草エリアに感じました。昭和の懐かしさと近未来が混在したシュールな風景がおもしろいこの街で、物件を探し始めます。
浅草を探索する理由とは?
馬場正尊による関連コラム
「気になっている浅草エリアを、自転車ツアーで探索してみる。」

三箇山、松尾、伊藤、黒田(山形R 不動産リミテッド)
東京R 不動産の東チームとして日本橋エリアの物件を開拓するメンバーと、1 ヵ月の限定の特別参加の山形R 不動産リミテッドからの学生インターン。