第11話 専門店カルチャー
浅草寺の北側には、なぜか専門店がやたらと多い。
その専門性が異様にマニアックで、例えば、おにぎり専門店、大学いも専門店、天ぷら専門店、せんべい専門店などなど。
「別にそこまで絞り込まなくても……」
と思ってしまうようなセグメントですが、今回は「浅草」に専門店が多いワケなどをご紹介。
この辺りの店は、経営とか大丈夫なのかと疑ってしまうくらい専門性が強い店ばかりだが、売っているものは美味い。さすが専門店だ。

この前の浅草自転車ツアーで寄ったたい焼き屋「写楽」
まずは以前の「浅草自転車ツアー」で寄ったたい焼き屋「写楽」。美味すぎてまた来てしまった。今まで食べたたい焼きの中で一番好き。

かわが薄く、パリパリしているたい焼きは絶品。
ここのたい焼きは、他のたい焼きとは全然違う。
食べた時にたい焼きの作り手のモノに対するアツさが伝わってくる。それはもはや単なる商品ではなく作品と言える。

大学いも専門店の「千葉屋」
次は「写楽」のすぐ近くにある、大学いも専門店の「千葉屋」。
正直に言うと「なんで大学いも?!」と思ってしまった。でも、絞り込んだだけはあるくらい、大学いもは美味い。

店のメニュー。
店のメニューは2種類のみ。
ただし、その違いは加工方法だった!
オーソドックスな形の「大学いも」とポテトチップスのように少し薄めの「切揚」。いもらしく食べるなら「大学いも」。「大学いも」よりもおやつ感覚でサクサク食べるなら「切揚」がおすすめ。
この店にはおじいちゃんが結構買いに来ていて、みんな歯に優しい「切り上げ」を買っていく。なので、たまに「切揚」が売り切れになっている。

おにぎり専門店の「宿六」
これまたたいやき屋「写楽」の近くにある、「宿六」というおにぎり屋。

「宿六」の店内。
店内は寿司屋だったであろうつくり。寿司ネタの冷蔵庫におにぎりの具が入っている。ここはおにぎりをその場で握ってくれる。まさに寿司のようだ。

握りたてのおにぎり。
暖かいご飯が程よく空気が入るように握られて美味い。これを食べたらコンビニおにぎりは食べれなくなる。
このように、つくるものが職人技のようである事が「専門店カルチャー」をつくり出しているのかもしれない。
ものづくり職人のように、たい焼きもその道を究めたモノをつくって売る。半端なものをつくらない空気が流れる街だから、どんなモノでも徹底的につくるのだろう。

静かな佇まいの看板に、英語表記が組み合わされている。
それに加えて、「浅草」に来る観光客の存在も大きいはずだ。
「浅草」のはずれにあるのに黒人がたい焼きを買っていたり、僕たち日本人もちょっと入るのをためらうディープな喫茶店にも大柄な白人がいたりする。
中国や台湾などのアジアっぽさが感じられるからなのだろうか、観光客が食べ歩き感覚で色々な店で買い食いをしていた。
確かにこの街には、中国や台湾の下町にあるような妙な店がたくさんある。

「FOS」というバー。
看板が表札くらいの大きさしか無いバー。

サンドイッチの店(らしい)。
どこが入り口だかわからない店など。
「浅草」の街も、探すとどんどん色んな店が出てくる。
専門店も、色々な種類の店を開拓する感じで「○○ならこの店」というスタイルをつくっていくのはいかがだろうか?

浅草エリアの時代がやってくるのではないか?!それが私たちの仮説です。日本橋エリアを見つけた時の感覚と同じものを、東京のさらに東側の浅草エリアに感じました。昭和の懐かしさと近未来が混在したシュールな風景がおもしろいこの街で、物件を探し始めます。
浅草を探索する理由とは?
馬場正尊による関連コラム
「気になっている浅草エリアを、自転車ツアーで探索してみる。」

三箇山、松尾、伊藤、黒田(山形R 不動産リミテッド)
東京R 不動産の東チームとして日本橋エリアの物件を開拓するメンバーと、1 ヵ月の限定の特別参加の山形R 不動産リミテッドからの学生インターン。