第2回 屋根裏発見!
建物を料理する
例えるなら、リノベーションって料理みたいなもので、素材となる建物をよく見て、その良さを最大限に引き出す工夫を考えます。
だからまずは中身をよく見て、個性や良さを見つけるところから始めます。

これが今回の工事前の図面です。
たとえば小さいほうの建物、A棟。
工事前の状態は、1フロア当たり50平米弱の小さめな戸建住宅で2階建て。
玄関を入ってすぐ左手に浴室と洗濯室。廊下の奥にリビングルームとキッチン。建物の中央にある階段を上がって、2階には8畳位の部屋が二つ。2畳位の部屋が一つ。トイレが一つ。
うーん、この素材、どう料理すると「面白く」なるか...
結果はこんなことになりました。A棟2階の工事中の写真です。
天井も壁もなくなって、柱や梁が露出して、山小屋みたいな感じ。

A棟の2階
A棟の2階という約50平米の空間は、もともと8畳くらいの部屋が二つ、2畳くらいの小さな部屋が一つ、トイレが一つ、と細かく区切られていましたが、どうみても窮屈。「広々感」に欠けています。それに、こんなに部屋が小さく分かれているのもどうかなあ...。
そこで、広々感を得るために、思い切って2階の壁を全てとることにしました。
階段が建物の中心にあったので、そこだけを残して、全撤去!
さらにトイレも撤去!トイレの奥の壁には穴をあけ、隣の部屋と繋げました。
残す階段部分は建物の中心なので、しっかり構造的にも補強します。
結果、スカスカになった2階は大きなワンルーム。
階段室を中心にぐるぐる部屋の中を廻れます。
さらに床にも一部穴をあけ、1階との吹き抜けを作りました。
外壁だったところに大きな窓も新設、明るくなり、すっかり空気が入れ替わった感じ。
ついでに、小さい小屋裏空間も発見したので、小屋裏の床は全部壊し、その分部屋の天井高をあげることにしました。
それでさっきの写真みたいな、斜めの天井が現れてきたというわけです。
天井も高く、広々と明るい、気持ちのいい空間になりました。
さて、今回の素材探しの建物見学で、一番おいしかったのは、コチラ。
題して「屋根裏発見」

屋根裏発見!
発見したのは「B棟2階」の現状を見ていたときのこと、
部屋の奥に入口とは違う、いかにも怪しいトビラが1つ...。
なんだろう?
開けてみると、さらに上階へ続く階段を発見。
あ、怪しすぎる...。
で、あがってみたらありました!
映画に出てきそうな、理想的な「屋根裏」が。
訪れたのはちょうど昼下がり、光の具合もいい感じ。
おいしすぎる空間材料の出現に、おもわずため息。
でもここ、あくまで「屋根裏の収納スペース」で、居室ではありません。
屋根が近いから夏は激暑、冬は激寒、それには大人には天井が低いです。部屋じゃないから。
よそ見をしていると、すぐに頭を打ちます。でも子供なら、きっとらくらく。
環境的にも夏冬をのぞけば快適です。
こういうおいしい発見は、とてもうれしい。

上の写真は、工事中の屋根裏空間。
せっかくの空間なので、一部床をとって下の部屋と吹き抜けにすることにしました。もちろん、手摺もちゃんと付きます。

ちなみに、その吹き抜けを上から見下ろすと、こんな感じに。
なんかいいでしょう?こっそり見下ろす優越感が楽しい。
こんな屋根裏が家についてたら、テンションあがりませんか?!
というわけで、内部はざっとこんな風になりました。
楽しい感じになってます。
それでは次回は外部の話。
このブログについて東京R不動産を共同運営している建築設計事務所 Open A が設計中の物件についてレポート。題して「プロジェクトブログ by Open A」。
第2弾となる今回は、桜上水にある木造住宅をリノベーションする模様をお伝えします。
Open Aとは東京R不動産を共同運営している設計事務所。日本橋の裏路地にある倉庫を拠点にしている。月曜の夜にはスタッフ全員でサッカーをする運動系アトリエ。空間を身体で感じるように努めている。最近の仕事は、東京でのリノベーションや集合住宅、房総半島の家々、オフィスインテリアなど。東京R不動産ディレクターの馬場正尊が代表。
Open AのHP
著者紹介吉野美奈子(Open A)

