住宅 | ||||||||||||||||||||
建築家の自邸を住み継ぐ |
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建築家の自邸という情報をたよりに伺った建物は、通常の住宅ではなかなか成し得ない、おおらかさと温かみのある物件でした。 熊谷守一美術館の設計者・岡秀世の自邸として建築され、実際に彼が長く住んできた戸建て。解体されて土地売りされてしまうにはあまりにもったいなく、住み継いでいただける方を募集します。 約5mの高く抜けた天井のリビングが何より印象的です。大空間かつ、木の質感を生かした内装に思わず見惚れてしまいました。飾り付けやしつらえをあえて省かれた空間は、いい意味で余白を感じさせてくれます。 このリビングをみて強く感じたのは、おおらかさと適度なラフさ。お気に入りの家具や絵、住まい手の好みを受け止められる器として、美しい空間です。 リビングからさっと出られるバルコニーは部屋の延長として、ここで食事をしたり野菜を作ったりと、外にあるもう一つのリビングとしての機能も果たします。 1階と2階の床にはよくあるフローリングではなく、湧水レンガタイルを使用しています。合板の下地の上にラフに置かれたタイルは、質感十分。 また屋根で太陽熱を集め、その熱を暖房や給湯、換気といったものに変換するという「OMソーラー」というシステムを採用しています。冬は床下から暖かな空気が流れるため空調の下支えとして、夏は貯湯槽の湯を温めることでガス代の節約にもなるエコなシステムです。 LDKは2階に、そして個室は1階と3階にあります。1階の個室はドライエリアにある坪庭を眺めらる部屋、そして多くの造作本棚のある部屋の2室。坪庭を眺められる部屋を寝室に、本棚のある部屋は書斎兼主人の寝室として使われてきたそうです。 徹底した断熱材の使用、そして特に冬はOMソーラーの機能として室内を陽圧に保つために隙間風なども発生しないため、1階は夏でもあまりエアコンの必要性を感じなかったそう。 3階の個室は広めなので、小さい家族がいる間はここを家族全員の寝室にしてもいいように思います。3階の個室には洗面台もついているので、お化粧などの身支度にちょうどよかった様子。3階にある納戸からは屋根裏収納に上がることもできます。 最寄である「港南台」駅は「横浜」駅まで電車で25分程度。鎌倉方面にもアクセスがよく、車があれば海にも気軽に行ける場所です。駅周辺には複数の買い物施設があり、生活の買い物で困ったことはなかったとのこと。また、近隣には大きな公園もあります。 2000年に建てられ、木・鉄筋コンクリート造の築24年。浴室など水回りの設備類は一部改装した方がよいかもしれませんが、建物自体まだまだ長く使えそうです。 【主な修繕履歴】 OMソーラー:2024年7月に業者にチェックしてもらい、不備を交換済み バルコニーの床材:2024年に交換済み リビング窓の上部:2024年に一部雨漏り履歴あり。2024年7月にシーリングを修繕済み 1階本棚部分:2023年末水漏れ履歴あり。配管から水漏れしていたため、点検口を2階トイレに作成し、修繕済み |
2Fリビング:太陽の蓄熱を利用するOMソーラーシステムで床から温まる仕組み。薪ストーブも使用可能 |
木の質感があたたかな印象 |
2Fからは植栽の緑がやさしく映える 直接出られるバルコニーもうれしい |
2Fバルコニーはもう一つのリビングとしても使いやすい |