住宅 | ||||||||||||||||||||
物語のあるリノベーション |
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★価格が下がりました★ ぱっと見だけではなかなか内容が紐解けない、語ることがたくさん詰まった物件が誕生しました。 こちらはグループ会社のtoolboxがつくった実験的リノベーション。既存をなるべく活かしながら、もともとの設備やマンションの個性を素材として捉え、長い時間向き合って生まれた物件です。 リノベーションという言葉が普及して久しいですが、最近はどれを見ても同じに感じてしまうような感じに。元になる建物もいろいろだし、設計やデザインする人もそれぞれ、そして住む人だって十人十色。いろいろな物件があっていいはずなのに。 そんな中、「まだ見ぬリノベーション、空間をつくる手法の確立を目指した。」とのことで、ワクワクしながら待っていた物件がついに完成しました! まず、素材となるマンション自体もユニークなつくり。1フロアの形ではなく玄関が1つ下の階に位置し、専用階段で部屋まで上がるつくり。階段は90度に折れる動線を変更(!)し、押入だった場所から部屋に入るかたちに。 本来は階段下で靴を脱ぐ仕様でしたが、土足のまま上がれるようにコンクリート現しの仕上げにしてあります。以前は狭く暗い玄関でしたが、それだけで印象がガラッと変わりました。 トントントンと上がるにつれて広がる視界が高揚感を誘います。上がりきったところにある土間は、天井まで約2.6mと高めの設計。趣味のものなどが多い方のディスプレイスペースになったり、仕事場スペースにもなったり、多目的スペースとして妄想が膨らみます。 バルコニー越しには、爽快な眺めが広がりとても開放的。朝の青空も、夜の夜景もきれいで、風の抜ける気持ちいい環境です。スカイツリーが見えるのも嬉しいポイントですね。 部屋の間取りは2LDK。寝室はコンパクトですが、見晴らしもよく閉塞感はないつくり。もともとあった和室を活かして、畳が敷かれています。同時に木製のヘッドボードがデザインされているから、マットレスを置いて使うのがしっくりきそう。この折衷感に洗練さを感じます。 ビリジアングリーンのレバーハンドルが設置されたドアの先は洗面、シャワー、トイレのある空間。壁一面タイルの貼られたシャワーブースはさながらホテルのよう。そう、この部屋にはバスタブはありません。もともとの場所に置こうとすると、とても小さなバスタブになってしまう。そういった理由からシャワーを選択したようですが、海外製のシャワーはオーバーヘッドタイプで全身を温めてくれるものをセレクト。その分、開放的かつ個性的なバスルームが生まれました。 そして、フローリングは剥がさず溝を彫り直した上に塗装。キッチンはなんと既存を真っ二つに切って、L字型に作り直したものなのだそう。これぞ唯一無二、まだ使えるフローリングやキッチンを廃棄せずにアレンジし、昇華させるという今回の改装プロジェクトの賜物だと思います。 こうやってご紹介していくと、ひとつひとつの場所やパーツに歴史や試行錯誤のストーリーが詰まっているんだなぁと感じました。そして、リノベーションって本来はそういうものだったよなぁ、と気付かされました。 場所は雑司が谷駅からは徒歩1分と近く、池袋駅まで歩けば複数路線の電車が使える便利な立地です。歴史ある建物ですが、共用部は大規模改修され、築年数を感じされないデザインになっているのも◎ 正直ここでお伝えできる事は、ほんの一部。この物件の魅力は、完成形はもちろんですが、つくるプロセスにあると思います。詳細が気になる!という方は下記toolboxへのリンクより「工事班の現場通信」という連載で読みものが掲載されています。ぜひ読んでみてください。 そこにある素材たちをどのように次につなげていくのか、プロフェッショナルたちがとことん考え、力を合わせてできた一室。この物件だからこその素材たちと見せ方。唯一無二な空間にぐっとくる方に見に来てもらえたら嬉しいです。 (1〜10枚目写真©Akira Nakamura) |
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ベランダ側から土間を見る。右奥が階段です。上部にはかつて押入れだった事が分かる収納が |
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既存のキッチンをふたつに分割。造作家具と左官の天板で継いで出来たキッチンの新境地 |
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キッチン側からダイニング越しに土間を見る。いろんな要素が混じりあう。カウンターデスクの脇にはベンチが |
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ガラッと変わって、タイルと曲線が印象的なバス・トイレ、洗面スペース。シックな雰囲気が素敵 |
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