井の頭公園にほど近い住宅街の中、ひっそりとしたこみちの奥へ隠れるようにして立つ、ちびっこサイズのかわいい戸建て。
室内は8年ほど前、経年による味わいを残すべく、竣工時の物をなるべく生かしながら改装されています。
改装と一言でいっても、表面だけを取り繕うような薄っぺらいものではなく、ほぼスケルトンの状態に戻した後、耐震補強や断熱補強などの抜本的な工事がなされています。
この年代の家をスケルトンから改装するって、めちゃくちゃ手間が掛かります。正直、建替えてしまった方がよっぽど楽なくらいに。でもそうしなかったのは、大家さんの建物に対する強い思いがあったから。
そのこだわりは細部にまで表れていて。例えば洗面台の正面にある木枠の小さな窓。改装前は塞がれてしまっていたのですが、ツバメの柄の貴重なすりガラスが使用されていた為、元の状態にまで復旧させていたり。
古民家の代名詞でもある木製の階段もしかり。よく手入れがなされており、新しい素材には出せない飴色の艶が、何ともいえない味わいをかもし出しています。
そんなこだわりを引き立てるように、1階の床材には渦目の杉を使用。和室の壁は塗装で仕上げ、畳との相性も良い優しさと温かさに包まれた空間となりました。
古い物件に住む上で一番のネックになるのはやっぱり水回りでしょう。でもそんな心配も無用。キッチンもお風呂もトイレも洗面台も、改装時に交換済み。デザインもシンプルで、古い建具などと違和感なくなじんでいます。
戸建てならではの楽しみである庭も、小さいながらついています。好きな植物を植えたり、ウッドデッキを敷いてみたりと、想像を膨らませていただければ。
窓は全てすりガラスですが、奥まった立地のわりに日当たりもよく、2階からはこの地域ならではの緑豊かな景色が楽しめます。
古いものに愛着を持てたり、便利とはいえなくてもほっこり落ち着いた環境が好みだったり。そんな方に、大家さんの思いを引き継いで住んでいただけたら何よりです。
※下見は8月9日(火)から |