東横線を見下ろす高台の上。風通しがよく、自然素材に囲まれた、軽やかな空気をまとった家のご紹介です。
実はこちら、私が約10年過ごした実家です。子どもが全員巣立ち、我が家としての役目は無事終え、住み継いでいただける方を募集しています。実際に住んでいた身から良いも悪いもお伝えしますので、きっと、今までもこれからも一番正直な物件紹介文です。
坂の頂上を一本奥に入り、旗竿状の土地のアプローチを抜けた先。 室内はスキップフロアで各部屋が段階的に繋がる構成です。間取りだと分かりづらいですが、ざっくり言うと上階がリビング、下階が子ども部屋と水回り。内装は全体的に漆喰(しっくい)の壁にチークの無垢フローリングで仕上げてあります。
2階のリビングは、南に向いた高さのある窓から入る光と、約3.4mの吹き抜けを通ってゆく風が素直に心地いい空間でした。5人家族(+猫2匹)で、引越した当時3人の子どもは中学、高校、大学生。思春期かつ生活時間の重ならないタイミングだったので、リビングは広さよりも居心地の良さを重視して、基本的には各々のことに集中出来るスペースを確保できるよう設計されています。
今の間取りはリビングがコンパクトなので、リビング上階にある和室と書斎は購入後手を入れていただいて、家族のくつろぎの場を増やしてもいいかもしれません。
バルコニーは屋根がついているので、半屋内のような感覚で書斎の延長線上として使えます。ちなみに、我が家の猫たちは怠惰な性格につき使ってくれませんでしたが、バルコニーと書斎の間には猫用のドアが設けてあります。
注意点は近くを通る電車の音が結構すること。10年住むと気にならなくなっていましたが、しんと静かな環境を求めている方には難しいと思います。また、引越し後に床の補修やハウスクリーニングをしましたが、漆喰の壁の補修と畳交換は行なっていないので、気になるようでしたら入居前にしてしまった方が良いかもしれません。
下の階は、玄関の先にキッチン以外の水回り、数段下がった半地下に納戸と洋室。この二部屋は天井が低いところで約1.75mになっており、延床面積には含まれていません。また、床材は下地のまま。北側洋室は、格子を外せば駐車場からそのまま荷物を運ぶことができるので、アトリエの様な使い方もあり得そうです。
中2階には個室が二部屋。シングルベッド、机、季節ものの洋服が最低限のものだけ置ける広さで、子ども部屋としての役目を終えた後はワークスペースとして機能していました。
最寄りの菊名駅は、東横線と横浜線の2路線が利用可能です。渋谷まで特急で20分、横浜へは急行で5分。副都心線が直通で乗り入れており新宿方面へのアクセスもよく、横浜線の1駅隣は新幹線の止まる新横浜。都内で働く方や出張の多い方にも意外といい選択肢になるかも。
また、改札を出てすぐの東急ストアは24時まで営業しているのが便利。駅前はチェーン店の飲食店が多めですが、ぽつぽつと地元の人から愛される美味しいお店が点在していたり、隠れ家のような場所に大人気の八百屋があったりして、楽し気な一面もあるまちです。
それぞれが自分のこれからと向き合いつつも、家族との繋がりは感じられるよう、両親が子どものことを考え建てた家。大切に住み継いでいただけたら嬉しいです。 |