サレジオ教会近くに重厚に構える、コンクリートの塊のような要塞系テラスハウスをご存知でしょうか?
外から見ている限りは住居というより教会か美術館に見える、全5棟からなるこの物件ですが、実は15年程前から空室が出る度にクリエイティブな感性をお持ちのR不動産のお客様に住み継いでいただいている、密かな人気物件です。
後に代表作である旧・二期倶楽部で有名になった建築家、渡辺明氏による、二期倶楽部以前の作品であるこの物件は、「ラビリンス」というタイトルが示す通り、一周しただけではつくりが把握できないユニークな間取りです。
空間は全部で5層に分かれており、半地下がキッチンとダイニング、1階がリビング、1.5階が小さな部屋二つ、2階が主寝室、2.5階にもう一つ大きめな寝室とルーフテラス、という5層構造になっています。
1階リビングは20畳の広さに天高3.5m程度という圧巻のスケール感で、かなり高さのある植栽を置いても圧迫感がありません。またコンクリートに囲まれた空間ですが、窓の先に見える緑が無機質さを程よく中和してくれます。
この建築の特徴は光の差し込み方です。各部屋とも、あえて窓を大きく取るのではなく、あまり目に触れない位置に設けられたトップライトから光を採り込んでいるため、明るいのに外に対して閉ざしているという不思議なプライベート感覚があります。
また上からの光は、教会建築にみられるように空間に荘厳な雰囲気を与えます。
半地下のダイニングキッチンだけは直接の光が入りにくい場所ですが、逆にこもるような感覚が、食事をともにする人たちを親密な気分にさせてくれる効果があるような気がして、居心地の良い空間です。
学芸大学駅から徒歩だとだいぶ距離がありますが、物件から徒歩4分のバス停からは目黒駅方面に通勤時間帯は1時間あたり22本、日中でも11本とかなりの本数出ていますので、バス経由の目黒駅利用が便利かと思います。
かなり特殊な建物につき、好き嫌いははっきり分かれる気がしますが、普通な物件では物足りない方に一度ご覧いただけたらと思います。
◆同じ間取りの建物が連続するテラスハウスですが、各住戸は独立しており隣の棟とは壁を接しておらず、戸建てが複数並んでいるイメージです
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