つくろう!子どもがイキイキ育つまち

「子どもと一緒に暮らしたいまち」の選び方

 

突然ですが、子どもって暮らしを考えるために大事な要素ですよね。

あなたが子どもを育てていて、暮らし方を選ぼうとした時、子どもにとってどんな環境なのか、自分たちが子どもを育てながら暮らしやすい環境なのかを気にすると思います。

子育てしている人だけではありません。子どもが暮らしやすいまちは、大人も暮らしやすいまちだったり、他者とのつながりが生まれやすかったり、地域自体が明るくなったり。これから子どもと出会う人でも、子育てが終わった人でも、会社員でも、おじいちゃん・おばあちゃんでも、子どもがいる暮らしを考えるって大事なこと。

 

同時に、子育てをしながらの働きやすさや、子どもとの時間のつくり方、生活との両立の仕方も現代の大きな課題になっています。核家族で、共働き世帯で、どうやって子どものための時間を増やすことができるのか。

かつての日本みたいに、親や親戚と近くに住んでいないし、近所の人を頼ることも難しくなった。顔見知りの関係性がないから、子どもを地域で遊ばせるのも心配。仕事も忙しくて、保育園や学童に頼るしかない。

例えば、近所に自分がお風呂に入る間だけでも子どもを見てくれるおばちゃんがいるとか。子どもが学校終わりに集まれるような地域の遊び場があるとか。働く場所が子どものすぐ近くにあるとか。そういう環境が欲しいと思っている人は、たくさんいるんじゃないでしょうか。

 

子どもも大人も、健やかに暮らせる環境を叶えたいと思った時、顔が見える関係性と安心感があって、地域と子どもが繋がれることが大事な気がしています。

じゃあ、そういう地域・エリアってどうやったらつくれるのか?これから増えていくのだろうか?

子育てに関わる人だけに任せていいのかな?私も、自分の住んでいる地域をそんなまちにできないのかな?

 

妄想! 「子育てがしやすい」をつくるには?

地域とつながる保育に取り組んでいる保育園や幼稚園があります。

たとえば、「まちの保育園・こども園」(ナチュラルスマイルジャパン株式会社)はまちとつながる保育をテーマにしています。子どもたちはまちから学びと発見を見つけて、子どもを真ん中に、地域の関わりが生まれていく社会を目指した取り組みを行っています。

「森のようちえん」(特定非営利活動法人森のようちえん全国ネットワーク連盟)では自然に触れる遊びを大事にして、地域の自然公園や、時にはまちの中をフィールドに保育を行っています。

こういった理念を持った保育を行っている園は各地にあって、園に通うことを目的に引っ越して来たりする人もいるそう。そんなパワーを、地域にもっと活かせたら。

 

 

その方法を、勝手に妄想してみます

すてきな園に惹かれてやってくる人たちは、きっと同じ価値観を持ったすてきな人たち。そんなやってきた人たちの子どもが大きくなっても、地域を離れず愛着を持って暮らしてもらうには、住環境は絶対に大事なはず!

 

なので、まずは家の準備。地域の工務店に声をかけてみます。その地域の工務店は植栽豊かな家づくりを得意としていて、4〜6棟程度の小規模分譲宅地にも取り組んでいます。住宅と住宅の間に自然豊かな路地や、共同の畑をつくって、つながりが生まれやすい住宅地を一緒につくります。

そうしたら、子どもたちが畑づくりでお世話になっている地主さんから、土地の相談がありました。結構広いので、工務店が土地を買って分譲するのは難しいかも。

 

そんな時は、この環境で住みたい人がまず先に集まって、みんなで話し合いながら住宅地をつくっていくコーポラティブという方法だったら、みんなが欲しい家がつくれそうです。

この方法であれば、暮らし始める前から顔見知りの状態ができるので、住み始めてからのつながりも生まれやすい。みんなにとって需要があるなら、コミュニティスペースとかもつくってもいいかも。

働きやすい環境も生まれた方がいいですね。シェアできる工房をつくって、アーティストやものづくりをする人たちが働きやすいように。シェアオフィスが生まれたら、地域の企業と連携できたりしないかな。

 

そんな活動を続けていたら、子どもや子育て世代に向き合った行政の取り組みもできるようになっていくかもしれない。

少しずつ住宅の中に緑が増えて、家と家の間に余白が増えて、面白い大人が増えて、子どもたちがもっとまちとふれあいやすくなっていく予感がします。

こんな風にすでにある取り組みを軸に、その周りの企業・住民、地域に関わる人たちが、その地域で求められている「欲しいもの」に一緒に目を向ければ、子どもだけでなく、住む人にとっても、稼ぐ人にとってもハッピーな地域ってつくっていけそうです。

しかもこれが、連続的な人口の流入や、マーケットが生まれる構造になっていけば、すでに地域にいた人にとっても事業性や地域の持続性の向上につながっていくはず。

ただそこに発生する、制度的・構造的な課題もたくさんあります。コーポラティブな方法ってどうやってやるの、とか。いっしょに活動できる人はどうやって見つけてくるの、とか。そもそも資金がないんだけど、とか。

そういうノウハウを一緒に模索していきましょう!