
地域の未来を、自分たちでつくる時代が来た。
大企業やプロの不動産デベロッパーが何かしてくれるのを待っていた時代は終わり、みんなが自分たちで、地域に必要な次の一手を打つ時代。つまり“みんながデベロッパー”になる時代がやって来た。
例えば……
- 生産緑地や農地のある環境を生かし、豊かな住環境や、賑わいをつくり出す
- 公園の面白い使い方や関わり方を生み出し、周辺地域の価値を高める
- 福祉事業の拠点をまちに開くことで、人や活動の集積を生み出す
などなど。
ドカンと大きな開発をするわけではないし、 人口を何千人も増やしたり、大企業を誘致したりできるわけではないかもしれない。
でもそうではないからこそ、本当に必要な場所が生み出されたり、 地域の個性が際立ったり、できた場所がみんなのよりどころになったりする。それが愛着になり、地域に住む理由になり、新しい活動が生まれるきっかけになり……。
地域も、 暮らしも、環境も、誰かがつくってくれるのを待ち、それを買う/利用するのではなく、自分たちでつくる、育てる、守る。これからはそんな時代になる。
そうやって地域の新しい魅力や価値を生みだし、持続性を手に入れ、暮らしを豊かにするのが、これからの地域のつくり方であり、みんながデベロッパーとしてやることだ。
だから「みんデベ」がある
デベロッパーになる方法は、地域の数だけ、人の数だけ、無数にある。みんなが地域の未来を考え、小さく一歩を踏み出せばいいし、みんな実はすでに地域のために何かを担っているかもしれない。
しかし一方で、人口が減少し、さまざまな課題が山積する中で、悠長にしていられないのも現実だ。
みんなが地域を思う気持ちを、確実に地域の魅力や価値、持続性につなげなければ、 手遅れになる可能性もある。
ではどうやって小さな一歩を地域づくりに発展させたら良いのか? それは手法として確立されているわけでもなく、どこかの成功事例をなぞればうまくいくとも限らない。だからそのやり方を集めたり、発明したり、アイデアを溜めたりすること、それをみんなが参照できるように共有することが、みんデベの大きな役割のひとつだ。
さらに実際に始めてみると、分からないことや、つまずくポイントがたくさん出てくるし、大きな壁にぶつかって諦めたくなることも多いはず。
例えば資金のこと、仲間の集め方、法制度の壁、行政の巻き込み方、マネタイズ、持続的な運営……。
だからそんな課題を先回りして拾い上げ、解決方法を研究したり、生み出したり、実験したりしておく。それらをストックし共有することがみんデベのもうひとつの役割だ。
みんなで「みんデベ」
こうしたふたつの役割を果たすのに欠かせないのは、もちろん“みんな”の力だ。
課題や解決方法、アイデアを持ち寄り、他の人がそれを発展させたり、フィードバックしたり。この場をきっかけに人や地域のつながりが生まれることもあるだろう。
今までのやり方が通用しないこれからの時代だからこそ、それを楽しくクリエイティブに乗り越える方法を、みんなで発明していきたい。