2009.2.24 |
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松見坂ナイスビューな一人暮らし
渋谷から三軒茶屋方面に15分ほど歩いたところにある築38年のマンション。今回はここの1室を東京R不動産で購入、リノベーションして暮らしている方のお宅にお邪魔しました。
とにかく眺望が良いんです。ここは松見坂にあるSさん宅。11階の部屋の窓の外には、思わずウーンと伸びをしたくなるような抜けの良い眺めが広がっていて、街がどこまでも見渡せる。
しかも渋谷まで歩いて行けてしまう距離。「今どこ?」「渋谷」「じゃあ、今から行くからお茶しようよ」なんて気軽に言えるのがいい。松見坂って、住所が青葉台だって知ってました? 池尻大橋や三宿とも近所です。渋谷から適度に離れているため環境は静かで過ごしやすく、それでいて渋谷の街が自分のテリトリー内という、この「つかず離れず」感が丁度よい。
この部屋は、東京R不動産で売買物件として紹介した、築38年の中古マンション。もとは細かく仕切られた間取り(洋室6畳×2、和室6畳、台所3畳)でしたが、リノベーションによって壁を取り払った結果、開放感のあるリビングに生まれ変わりました。立地良し、管理・修繕も行き届いていて、しかも東南角部屋で日当たりも良し、そしてこのビューと、ポイントの高い物件だとは思っていたけど、それにしてもまさかこんなに素敵に仕上がるとは!
室内には、あちらこちらにSさんのこだわりが。床は普通の木材ではなく味があるものをと考え、年月が経つほどに深みを増した色になるというブラックチェリーの床材を使用しました。壁はクロス張りではなく、ペンキ仕上げ。本棚は改装にあわせてつくり付けでつくってもらったそうで、部屋によく馴染んでいます。そして、ところどころアクセントとして塗られたサーモンピンクの壁。こういうのをセンスの良さって言うんですね。
Sさんいわく、必ずしも中古にこだわっていた訳ではなかったけれど、新築と見比べてみて、後者は既に完成されて自分の思い通りに変えることが出来ないから面白くない、と思ったそうです。景色が抜けていてある程度の広さがあったから、作り直せばキレイになるだろうと何となく分かったので決めた、とのこと。
この立地、このビュー、そしてこの部屋の仕上がり具合。今回改装に掛かった費用についても伺ってみたのですが、マンション購入費用に改装費を合わせても、新築でこの場所でこの家を買うのと比較したら…安い。広さも十分だし、一人暮らしでこの空間は羨ましいです。
ただ、最終的にここに行き着くまでに苦労がなかったわけではありません。
苦労その1、水回り。
【お金がかかる】
リノベーションでもっともお金がかかるのが設備系。今回の改装でもやはり施工費用の中で大きかったのは水周り。 お気に入りのバスルームにしようとお風呂場すべて取り替えましたが、その費用は100万円以上。
【古さ故に構造的な難題にぶつかるケースも】
最初の計画ではお風呂の位置を変えて…と考えていましたが、天井をはがしてみたら配管がかなり入り組んでいることが判明。この配管を動かすのは至難のワザ、その為、風呂の位置を動かすことは諦めざるを得なかった。また同様に壁をはがしてみたら、昔の配電盤が出現。感電の危険などもあり容易に触るとまずいとのことで、本当は壁をずらして風呂場を広くしようと思っていたが、これまた諦めざるをえなくなった。
苦労その2、リノベーションの施工業者選び。
Sさんは今回の改装作業を振り返って言います。「こういう感じのリフォームをやったことがない業者さんだったんでしょうね」。かなり工事の段取りが悪く、当初予定していた工期の3倍かかってしまった。あやうく費用も膨れ上がるところでした。また、「どんなに話して伝えても、感覚的なことを共有してもらえない。目を離したら『似て非なるもの』になりそうでハラハラした」とも。自分が伝えるイメージをきちんと分かってもらえるかどうか。施工業者はリノベーションに慣れていて、センスが通じる人を選ぶこと、結構重要です。
幸いSさんの周りにはクリエイティブ職の人が多く、一級建築士である友人は計画の段階から設計や専門的なアドバイスをしてくれたり、また別の友人が業者との交渉を手伝ってくれたりと、力になってくれたおかげで、どうにか思い通りのリノベーションを実現させることができたとおっしゃっていました。
こうして紆余曲折を経ながらも出来上がったこの空間。昼間でも十分素敵なのですが、夜もまた雰囲気が良いんですって。近所に住んでいる友達がしょっちゅう遊びに来るのもわかる。だってこの眺め、この居心地。きっと夜景も綺麗なんだろうなぁ。あの、お土産ワイン持っていきますので私も今度遊びに来ても良いですかねぇ?