2010.8.31

 

第1話 浅草の入り口「浅草橋」と「鳥越」

黒田良太(東京R不動産)
 
浅草エリア・ツアーレポート その1

橋から浅草橋方面を見ると、川沿いに屋台舟が並んでいる。

浅草エリアを回るツアー。まず、最初に行ったのが「浅草橋」。

日本橋から岩本町、馬喰町を通って、「江戸通り(国道6号線・水戸街道)」に出て神田川を渡る。この都心と浅草をつなぐ橋が、地名にもなっている「浅草橋」。

「浅草橋」の位置関係。(地図データ ©2010 Google、ZENRIN)

「浅草橋」を中心にこの街は、昔(江戸の後期頃)から問屋街として栄えてきた。現在も通りの裏に入ると「日用雑貨」、「アクセサリー用品」、「文具事務用品」 などの卸問屋が多く残っている。

JR浅草橋駅近くの高架下。小さな店が高架下にすっぽり入っている。

また、橋の近くにある「JR浅草橋駅」の高架下には、立ち飲み屋などの酒場が多い。まさに「ディープな街・浅草」の玄関のようだ。

「KUHNS」という自転車バー。店の前のパイプは自転車が止めやすいようになっている。

さらに北上していく。
すると「JR浅草橋駅」の北には、「KUHNS(クーンズ)」という店があった。

去年の5月にオープンした店で、店内には自転車のフレームがぶら下がっている。ここは自転車好きが集まる自転車バーだ。この辺りの街は土地が平坦なので、移動には自転車が活躍する。それもあってか自転車は浅草エリアのキーツールになっている。

KUHNS

自転車のフレームがぶら下がる店内。地元の人からは「チャリンコバー」と呼ばれている。

街の地形とこの店が街にいなかった種類の人を集め、少しずつ街をオモシロくしている。

「鳥越」の「おかず横丁」の入り口。

さて、「浅草橋」を抜け、「蔵前橋通り」を渡って「鳥越」という街に入った。
ここには、「SyuRo(シュロ)」という雑貨屋さんと、「おかず横丁」という珍しい商店街がある。

SyuRo
おかず横丁

「SyuRo」のお店。元自動車整備工場の建物を改装した。

「SyuRo」は、ブリキの缶や使われなくなったテント地で作ったトートバッグなどの、職人さんと一緒に作った様々な生活雑貨を扱っている。

表面が削られ、手間がかけられた缶。

古い自動車整備工場を改装した店内にあるどの商品も、地場のものづくりが現代に脈々と受け継がれた、この街らしいモノばかりだ。店員さんに、扱っている商品や、お店のバックグラウンドを聞いて、心が温かくなった。

お惣菜屋がたくさんある「おかず横丁」

次に寄ったのは、そんな「SyuRo」を出てすぐそこの「おかず横丁」という珍しい商店街。コロッケやメンチカツ、鮭の塩焼きなどのおかずを売っている惣菜屋が立ち並ぶ商店街だ。

「SyuRo」や「おかず横丁」がある「鳥越」は、もともと町工場が多く盛んな街だった。その昔、忙しい共働きの家庭の主婦がこの横丁でおかずを買って帰っていたことが名前の由来になった(という説がある)。

「港家」というお菓子屋。

汗をかいた僕たちは、そんな「おかず横丁」で休憩をすることにした。僕たちは「港家」という小さなお菓子屋さんに入った。目当ては暑い日にぴったりの「かき氷」。

古い機械でつくるかき氷は氷がふわふわしてて、この上なく美味かった。

昔からの文化に新しい文化が現れはじめた「浅草橋」と「鳥越」。「日本橋」や「馬喰町」に近い「浅草橋」~「鳥越」のエリアは、いい具合に昔と今が混じり合おうとしている街で、これからもっとオモシロくなりそうだ。

と考えながら、かき氷を食べた。

(地図データ ©2010 Google、ZENRIN)

 
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このブログについて
 

浅草エリアの時代がやってくるのではないか?!それが私たちの仮説です。日本橋エリアを見つけた時の感覚と同じものを、東京のさらに東側の浅草エリアに感じました。昭和の懐かしさと近未来が混在したシュールな風景がおもしろいこの街で、物件を探し始めます。

浅草を探索する理由とは?
馬場正尊による関連コラム
「気になっている浅草エリアを、自転車ツアーで探索してみる。」


著者紹介
 

三箇山、松尾、伊藤、黒田(山形R 不動産リミテッド)
東京R 不動産の東チームとして日本橋エリアの物件を開拓するメンバーと、1 ヵ月の限定の特別参加の山形R 不動産リミテッドからの学生インターン。

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