
自分を開いてくれる場所
いま、シマムラさんはこの建物を、週末アトリエとして使う以外に、いろんな意味で自分に刺激を与えてくれる「場」にしようと考えている。空間の一部をいろんな人の作品を展示できるギャラリーとして使い、街行く人が立ち寄れる(この建物は、戸越銀座の商店街のなかにある)ようにした。また、最近、服につける陶のボタンをつくったりする、「一日陶芸教室」も始めた(※ボタンの他、コップやペンダントトップなどもつくれるそうです。ホームページから申し込めます)。シマムラさんいわく、「いろんな人と出会い交流していると、その分、次につくりたい作品のアイデアも湧いて来るから。場所が自分を『開いて』くれる」というのがその理由だ。
1年ごとに見直す自分計画
自宅とは別にアトリエの家賃も、というのは、気軽なことではないのもまた事実だ。だが今回物件を借りるにあたり、自分のなかで『1年単位で考えてみよう』という計を立てたんです。1年やってその時点で続けていけるか見直す、また1年やって見直す。そうした中で、この場所を借り続けるかどうかをまた見極めていけばいいんじゃないか。また、作家としての自分自身を計る指標ともなるはず」。先のことを思えば、いろいろ迷うこともある。だがこの場所が自分を元気にしてくれるし、今はそれがプラスに働いているという。
「いずれ作家一本で生きていきたい」と考えているシマムラさん。物件との出会いは、ときに、その人の夢の実現を力強く後押しする力になる。かつては院長先生とともに診療所としての長い歴史を重ねてきたこの空間。今度は、陶芸を営むひとりの女性と、アトリエとして第二の人生を歩もうとしている。
(text:安田洋平/東京R不動産)
元診療所を改装した、シマムヒカリさんのスペース「ピカスタヂオ」のホームページはこちらです。
http://hikastudio.com/

