プライベート感覚のヘアサロンvaniliaさん。

プライベート感を利点に

もともと住居用のマンションということもあり、不特定多数の人が出入りするのはNG。しかし、それをウリにする逆転の発想をした例もある。

8階に入居されているヘアサロンvaniliaさん。完全予約制で、プライベート感覚のヘアサロンだ。「お客様にとって自分だけの贅沢な時間と、最高にリラックスして過ごせるおしゃれで心地よい空間にしたかった」と語ってくれたのは、2006年にこのヘアサロンをオープンさせた松中ゆきさん。

友達の家に遊びに来たようにリラックスできるのは、空間によるものだけでなく、松中さんのお人柄もある。
窓に向かって設置されたシャンプー台からは、8階ならではのいい眺め。
アンティークショップで探して来たインテリア。

松中さんは都内のサロンで修行を積んだ後、単身ニューヨークに渡り、コマーシャルや映画のヘアメイクの仕事をしていたという経歴の持ち主。帰国後、再び都内のサロンで働いていたが、そのサロンがクローズすることをきっかけに独立を決意。それから、怒濤の物件探しが始まった。条件は「1階路面の店舗物件」。しかし、なかなか条件に合う物件に出会えなかったそうだ。

「当時あちこち物件を見て回っていて、実はこの物件に問い合わせた記憶がなかったんです(笑) ここはマンションの8階で、自分が探していた条件と全然違うのに、どうして問い合わせたんだろう? って。でも、エレベーターで上がってこのフロアに降りた時、"あれ? なんかここ記憶にある"って思ったんですよね。ニューヨークで住んでたアパートメントの雰囲気にすごく似ていたんです。それで部屋のドアをパッて開けた時に、"意外といいかも"って閃きました。自分が思い描いていたプライベートサロンを、今の自分の力量で、きっとやれるって」

探していた「1階路面の店舗物件」という条件に比べて、このマンションは家賃・入居時の初期費用ともに格段に抑えられるというのも、入居を決めたポイントだった。

「シャンプー台からのこの眺め。ここに立つと気持ちがよくて、いい意味でやる気がなくなるの(笑) お客様によっては、美容院に行くというよりも、"ゆきさんち"に行って来るみたいな感じでいらっしゃる人も結構多くて。"ここにカウチがあればいいのに..."って言うんですよ。ここで寝ようとしてるの? って(笑)」

今はこんな素敵な空間になっているが、ごく普通のワンルームマンションの一室をサロンに改装するには、床や壁をはじめ、トイレやシャンプー台など、それなりに工事を入れなければならなかった。

オーナーさんは、これまでいろんな業種の入居者さんを受け入れてきたが、ヘアサロンは初めてのケースで、どの程度改装が必要になるか分からなかったため、いろいろ戸惑うこともあったようだ。
しかし、出来上がった空間を見て、逆にオーナーさんはとても喜んでくれたそうで、仲介を担当したR不動産のメンバーも「こんな素敵になったのよ、見て!」とオーナーさんに自慢されたとか(笑) オープンして以来、オーナーさんも担当したR不動産メンバーも、たびたびvaniliaさんで髪をカットしてもらっている。



vanilia
http://www.vanilia.jp/



(text:武藤ふき子/東京R不動産)

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