2009.5.19 |
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東高円寺の事務所物件が漫画教室に
東京R不動産でご紹介した事務所物件が、漫画教室になりました。ま、漫画教室……?!漫画+教室という語感のせいでしょうか、子どもたちが放課後に集う姿が脳裏に浮かびましたが、いえ、とんでもない。プロを養成する本格派の教室です。
教室の名前は「いるかManga Brush-up Academy」(以下、いるかM.B.A.)。2009年3月、東高円寺に開校したばかりです。
物件は昨年8月に「渋み漂う」というタイトルでご紹介した、事務所物件でした。
外観は、大きな木造2階建の建物で、物件はその一部を区切ったもの。
特長は、まるで診療所か小さな劇場の受付を思わせる1階ロビーと、2階の30平米近いワンルーム。
元は、家の一部だったところを、大家さんが洋裁教室をするために改装したのが始まりなのだそうです。
入居前のロビーはまるで診療所の受付のよう。
入居前の2階。使いやすそうなワンルーム。
いるかM.B.A.代表の田中裕久さんにお話を伺いました。
「知り合いから『東京R不動産に面白いのがあるよ』と教えてもらったのが、この物件との出会いでした。物件ページを見てみると、確かに面白そうだと。それで見に行くことにしました。」
当時は、教室開校に向けた準備を始めたばかり。
開校予定は半年以上も先だったので、どんな物件がいいのか、まだ具体的には考えていなかったそうです。
「必要な規模だけは明確でした。20席の机と椅子がおける教室、教室とは別に事務室が1つ。ただ、それ以外は..... マンションの1室じゃなくて、通りに面しているほうがいいなぁぐらいのイメージでしたね。」
実際に物件を見てどうだったのでしょうか。
「ひとことで言えば、ピッタリだと思いました。不思議なもので、この物件を見たことで、教室の具体的なイメージがふつふつと湧いてきたんです。即座にこの物件に決めました。後にも先にも見たのはこの物件だけです。」
現在の1階ロビーの様子。
2階は教室になりました。
田中さん、当時はまだ、漫画の専門学校の講師で、平日は講師としての仕事があるために動けませんでした。そこで、週末や有給をフル活用して準備に取り組んだそうです。
「サラリーマンをやりながらの準備ですから、その日その日に、やることを決めて実行していきました。
例えば『今日はソファーとテーブルを買う!』と決めて、ひとりでIKEAまで車を出したり。去年の10月、11月は、人生で一番頑張ったと言ってもいいぐらいです。」
と話す田中さん、なんだかとても嬉しそう。
階段も味があります。
改装については考えなかったそうです。内部も外部も、ほぼ、見たときのまま。
ただし、室内にアート作品や植物を置き、またどんな家具を置くかに気を遣うことで、物件から感じた味を活かしつつ、「居心地のいい空間」を作りたかったそうです。
そして、居心地の良さを重視することは漫画教室の指導スタイルと関係があるのだとか。
玄関のショーケースに置かれた教室の看板。 知り合いのアーチストさんによる砂絵だそうです。
「いるかM.B.A.で、私はストーリー作りを指導しています。生徒さんが自分にしか描けないストーリーに出あえるよう、一人一人と、定期的に対話することを重視しています。
生徒さんの話を引き出すには、リラックスしながら向き合える空間が必要なんです。」
特に気に入っているのは、この、1階事務室の自分の席から玄関への眺めとのこと。
(画像をクリックすると拡大します)事務室の窓を開けロビー越しに玄関まで見通す。右手の作り付けの本棚には俳句の本がズラリ。実は田中さん、漫画指導の道に入る前は、俳句の研究を
最後にエリアについて伺いました。
「物件をきっかけに東高円寺に出会ったのですが、漫画の専門学校が多い代々木から少し離れて自分の教室を始めたのは良い判断だったと思ってます。
ゆくゆくは、東高円寺を、代々木や秋葉原とはまた違う、漫画のメッカにしていきたいと思っています。」
「玄関の庭で煙草を吸うんですが、大抵そのとき、垣根越しに大家さんと世間話をします。大家さんはお隣に住んでいて、すごく親身になってくれます。作りすぎたと、すいとんをいただいたり。近くの整骨院に漫画教室のパンフレットおいたら?とアドバイスもらったり。なんともいいおつきあいをさせてもらっています。」
通りに面しているので、玄関を開けておけば、 ご近所さんとのちょっとしたコミュニケーションも。
東高円寺と、いるかMBAの今後に期待です。
いるかM.B.A.
住所:東京都杉並区高円寺南一丁目12番2号
TEL:03-6304-9101