14. 見積 - 前編 -

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買い物をする際には、金額と内容のバランスは常に考えるものです。
リノベーションも然り。しかもかなり高額ですから最も慎重になる買い物と言えるでしょう。ただ、通常の買い物のように完成された製品を購入するのとは違い、出来上がるものを想定して購入しなければなりません。
そしてその判断をするためのものが、内訳が細かく書かれた工事見積書です。慣れない人にとっては少々難解で、多くの人を悩ませます。しかしトラブル無く工事を進めるためには、この見積書をきちんと理解することが不可欠です。そこで今回は「見積書」の構成や見方について解説します。

■工事見積の特徴

内装工事見積の最大の特徴は、材料費(素材や機器の値段)と工賃(作業費や取付費)に分かれ、それぞれに金額が出されることだと言えます。またこれが見積書を難解なものにさせている原因とも言えます。(図1)
上記の内容の違いを「材」と「工」と呼び、見積書にも記載されることが多いため違いをよく理解しておくことが重要です。
「工」は分かりやすく言うと職人さんの人件費です。見積書では、一式で表現することが多いですが、職人さんが何人何日稼働するかを示す「人工」という表現も一般的です。複雑な工事になればなるほど、人工が増えるので金額も高くなっていきます。

■見積書の書式

見積書の書式は、(図2)のような並びになっていて、それぞれの以下のような内容を示しています。

・工事項目:工事箇所や工事内容を記載
・仕様:素材の品番、型番もしくはグレードなど
・単価:面積(平米)ごとの単価や人件費(人工)ごとの単価
・数量:対象となる面積や個数など
・金額:単価×面積の金額

そして工事項目ごとに、材料費と工賃の組み合わせで施工金額が分かります。
例えばフローリング工事の場合は、(図3)の記載となり、基本的にはこのような「材料単価」×「数量」+「工賃」という組み合わせが積み重なって見積もりは構成されています。 ただし、場合によっては「材工」という、材料代と工賃を合わせた単価で記載するやり方もありますので注意が必要です。

■工事種別

各工事項目は工事種別ごとに分けられ、それぞれに対して内訳と小計が記載されます。
見積書を作成する工務店は、それぞれ工種の職人さんごとに工事内容と金額の取り決めをし、集約しているからです。(図4)<「09. 体制と役割」参照
工事種別の表記方法や細かな振り分け方は工務店によって異なりますが、(図5)のような項目分けが一般的です。
これ以外にもガラス工事、防水工事などがあり、扱う素材や部位ごとに項目は増えていきます。
工種が増えればそれに伴い登場する職人さんも増えるので金額も上がってきます。逆に工種を少なくすることは減額に繋がるため、工種を意識しながら設計を進めることはコストコントロール上重要だったりします。

■見積までの流れ

見積を作成するには、前提となる仕様や図面、そして現場確認が必要です。場合によって変わりますが、主に(図6)のような流れで進めていきます。
そして、出てきた見積を精査し、金額と工事内容の調整を行った上で工事契約・着工へと進みます。

また計画の初期段階では、概算という言葉を聞くことがあります。概算とは、ラフな見積もりのことで、一般的に工務店が各項目の金額を経験値などから算出した見積りのことを指します。概算では比較的余裕をみて算出することが多いため、設計を詰めることにより金額が落ちていくこともありますが、一方で詳細検討によって新たな追加項目が生じて増額となったりもします。あくまで工事内容の方針決めのための目安として捉えておくのがよいでしょう。

自分の空間を考えるのは楽しいし、夢はどんどん膨らむけども、悲しいかな同時に見積金額も膨れていくもの。リノベーションには、夢を追い求める熱意も大事ですが、見積を見極めて適切な落としどころを見つける冷静さも必要です。そしてそれが納得感のあるリノベーションを成功する秘訣。次回の後編では、その冷静に判断すべき見積のポイントや注意事項、工務店の選び方のコツなどを解説したいと思います。

(text & illustration:大橋一隆/東京R不動産・OpenA)

 
(図1)工事見積の構成。
(図2)見積書の書式。
(図3)フローリング工事見積の例。
(図4)見積のつくられ方。
(図5)工事項目の例。
(図6)工事着工までの流れ。

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この連載では、東京R不動産が、リノベーションで蓄積してきたノウハウを紹介していきます。
このパーツはどこで手に入れるのか、このデザインは工務店にどう頼めばできるのか。それにはいくら(値段)くらいかかるのか...。ここでは床、壁、天井、水回りなど、家を構成する要素ごとに分解し、改装・リノベーションのコツを伝えていきます。
ちょっとした工夫で空間はガラッと変わる。それが私たちの実感です。
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