13. 巾木

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今回のテーマは「巾木/幅木」。
内装的にはメインというよりは脇役的な位置付けの部材です。もしかしたらあまり聞いたことがない人もいるかもしれませんが、どの部屋にもほぼ必ず付いているといえるものです。
意識しないとそれ程気にならない部分だと思われがちですが、実は気付かない所で空間の印象を決めている重要な部分だったりします。

■取り合い・見切り

内装の施工では、異なる部材がぶつかる部分を「取り合い」といい、通常はそのまま部材ごとを繋げてしまうのではなく「見切り」といわれる部材を用いて縁を切ります。
これは、きれいな境目のラインを出すためで、見切り材を使わずに目地を入れて縁を切る方法もあります。どちらにせよそのまま異なる部材をぶつけてしまうことはしないのが内装施工の常識です。
この内、壁と床の取り合い部分の見切りを「巾木」といい、同じく壁と天井の見切りを「回り縁」といいます。(図1)

■巾木の役割

巾木は、上記の見切りの考え方で壁と床の取り合い部分に取り付けますが、役割としては大きく2つの理由があると言われています。(図2)

・隙間が空かないようにするため
フローリングなどの床材は端部に若干のばらつきが出ます。これを隠すために巾木を取り付けます。

・壁材の保護のため
壁の一番下の部分は、家具や掃除機などいろいろなものをぶつけやすい箇所のため、壁を傷から守るための機能もあります。壁材にはよく石膏ボードが使われますが、こちらは衝撃によって簡単に欠けてしまうため、巾木が必要になってきます。
逆に壁がコンクリートなどの固い材質であれば巾木が必要ない場合もあります。

■巾木の種類

巾木には実は種類がたくさんあります。種類がたくさんあるというよりは、作り方が自由なんです。
素材も樹脂製から木製、石や金属など様々です。
コストが安くマンションなどで多用されるのが、ソフト巾木というビニル製の既製品ですが、安っぽいので正直あまりおすすめしません。
また、高さの寸法もさまざまで、60mmや100mmが主流ですが、30mmの場合もあり既製品でない場合は自由に設定できます。

■巾木の納まり

巾木にはいくつかの施工方法があります。
最もよく使われるのが、「出巾木」という方法で、文字通り壁から少し出た状態で納める方法です。壁に埋め込む納まりもありますが、施工が簡単な「付け巾木」が一般的です。(図3)
この他に、よりすっきりとみせる施工方法として、壁と同じ面上で納める「面巾木」や壁よりも少し引っ込んで納める「入り巾木」があります。(図4)ただしこちらはすっきりと見せることができる分、手間も多く掛かります。
また、さらにすっきり見せるために巾木を無くすこともあります。(図5)

普段何気なく見ていた巾木。地味だけどちゃんと理由はあって、種類もいろいろあるんです。ちょっと意識してみると面白いかもしれません。
このように巾木があることは納まりを美しく見せるために必要で、内装の常識と考えられています。しかし、リノベーションの世界では少しずつその常識に捕らわれない考え方も生まれてきています。
例えば、今や多く見られるようになったスケルトンの天井。本来躯体を隠して天井を張ることが美しいとされてきたものですが、それを無くす。
そういったすこし荒さや隙のある仕上げでも良いという価値観は、内装の考え方を少しずつ変えています。
こうした常識を少しずつ見直してみることもリノベーションの幅を広げていく上で重要なことなのではないかと思います。

(text & illustration:大橋一隆/東京R不動産・OpenA)

 
(図1)見切りの種類。
(図2)巾木の役割。
(図3)出巾木の納まり。
(図4)面巾木・入り巾木の納まり。
(図5)巾木なしの場合。
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この連載では、東京R不動産が、リノベーションで蓄積してきたノウハウを紹介していきます。
このパーツはどこで手に入れるのか、このデザインは工務店にどう頼めばできるのか。それにはいくら(値段)くらいかかるのか...。ここでは床、壁、天井、水回りなど、家を構成する要素ごとに分解し、改装・リノベーションのコツを伝えていきます。
ちょっとした工夫で空間はガラッと変わる。それが私たちの実感です。
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