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text=馬場正尊
 
すすけて寂し気だったのが……   見違えるようなファサードに。
寮の頃の食堂が……   ラウンジに。
かつての厨房が……   ビリヤード場に。
何の変哲もない和室が……   真っ白で清潔な部屋に。
かつての共用浴場が……   陽当たりのよいシャワールームに。
 

ソーシャルアパートメント。
この聞き慣れない単語は、これからたぶん、少しずつ増えていく都市型のライフスタイル。例えば、ヨーロッパやアメリカに留学したり、長い旅行に行ったことがある人には、すでに馴染みが深いスタイルかもしれない。
個室は最小限に、しかしラウンジなどのコミュニケーション空間は充実している。そこは、住人たちみんなのリビングルームのようなもので、一緒に話したりテレビを見たりする。特にさまざまな国から留学生の集まるような欧米に今まで多かったスタイルだ。

このプロジェクトは、その日本版。
最近、企業の資産再構築で独身寮が余っている。これはある企業の独身寮を再利用して、基本的な空間構造は変えずに(大規模な改修をすることなしに)、新しい住み方を実現しようというもの。

ここには、小さいけれど生き生きとした生活のシーンが見えるような工夫が散りばめられている。
例えば、かつての食堂をラウンジに、
厨房をプールバー(ビリーヤードルーム)に、
機械室をフィットネスルームに、
共同浴場をプライベートなシャワーブースに、
それぞれ機能変換。
この家賃設定でプールバーやフィットネスまで付帯した物件にはまず出会えない。個室は狭いけれど、それとは引き替えに豊かな設備と環境を手にすることができる。

ずっと住み続けるわけではないげれど、人生のある時期には是非過ごしてみたくなる住処。
コミュニケーションを重視する世代に合ったスタイル。
それがソーシャルアパートメント。

設計・デザイン:OpenA

 
 
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