
まったく他人事だと思いやがって。
と、誰にも聞こえないところで愚痴を言いつつ、ともかくも調査を開始することにした。
じゃあ、家を買うという前提で考えますから、話を聞かせてもらえますか。
そう言って、R不動産の敏腕営業のHaさんを呼び出した。
――最初に聞いておきたいんですが、家を買うお客さんは、どういうお客さんが多いのかな。
「16~18万を毎月家賃で捨てていると思うと、買っちゃった方がいいんじゃない?」っていう、それが一番大きいかな。
ある一定の水準を越えると、買っちゃった方がお得感とかが生まれてくるんだと思う。
毎月これを捨てているのはもったいないなって感じる境目という気がしていて、さらには子供が増えて子供部屋もつくりたいということになれば、都心だと家賃25万とかざらになっちゃうわけですよ。
そうすると、それってバカバカしいよねっていう話になってくるから、みなさん購入を考え始めるのかなという気がする。
――確かに。今16万の部屋に住んでいる僕なんかまさにそこにあてはまる。結婚していた頃は実際に家買おうか、なんていう話もしてたし。
じゃ真剣に買うことをもう一回考えますよ。で、最初に僕は何をすればいいんですかね?
たぶん、考え方の順番としては、まず何が欲しいんだっていうことなんだと思うんですよ。
たとえば、中古の家が欲しいのか、それとも新築のマンションが欲しいのか、場所はどこなのかとか、先々のことを考えて広さはどれくらい必要かとかいろいろあるじゃないですか。
まずは条件の整理ですよね。
すると、それはいくらくらいするのかっていうことが、いろんなネットとかを見て見えてきます。
そこで挫折する人もいるけど。買えない!って。
――ですよね。僕もこの連載はじめるんだけど、買えないんじゃないかと。
そう、自分がイメージしていたよりも、全然高いじゃん、と思うかもしれない。それがだいたいざっくり見えてきます。
じゃあ、それを買うためにはどうしたらいいのか、っていうことを次に考える。もちろん現金で買える人なんて、ほとんどいないわけだから、住宅ローンというのがあります。で、住宅ローンを借りるには、どうしたら借りられるのかっていうふうに話が進んでいくんだけど。まず、第一段階としては、自分がどういうものが欲しいのかということを決めることですね。
もちろん、その時点では理想論でいいんですよ。理想は何かっていうのを見て、次にやるのは、妥協が出てくる。買えないっていうことが分かった時に。
で、これは譲れるけど、これは譲れないっていうのが出てきて、妥協して妥協して、たぶんこんなもんだろうなっていうのを考えるのをあわせながら、住宅ローンの勉強をしていきましょうっていうことなんですけど。
まず、自分がはたして銀行からお金を借りることができるかどうかっていうのを、ためしにやってみるという手もあるんですよ。
たとえば、R不動産のサイトの中で、これが欲しいなっていうのがあったとしましょう。そうしたら、銀行に行っちゃう。
住宅ローンの窓口に。行っちゃって、今これを買いたいと思っているんだけども、果たして自分はこれを買えるだけの力があるのかどうかっていう話をしてみる。
そうすると銀行さんは、貸す貸さないははっきり言わないけれど、あなたの今の状態ですと、だいたいこれくらいまでっていうことは、何となく言ってくれるから......
聞いていくうち、手にじんわり汗が浮かんでくるのがわかった。道のりは長く、険しい。
まだまだHさんとの話は続いたのだけど、とりあえず今日はこの辺で。


