2009.2.24 |
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リアル東京VIP?!青天井のリビングルーム!!
以前、東京R不動産で「空のリビングルーム」という名前でご紹介した物件(『BRUTUS』でも紹介された物件です)が、リノベーションによって生まれ変わりました。元オフィスビルの最上階、東京のど真ん中、そして屋上が専有という稀有な物件。今や、屋上は「もう一つのリビングルーム」と化しています。
After
Before
雑誌『BRUTUS』(「特集:再生住宅に住む!」 2004年3月1日号)で掲載された、この物件をリノベーションした場合のイメージCG
Before/ビルに囲まれてはいるが、それほど迫っていないので十分開放的な屋上。
以前、雑誌『BRUTUS』(「特集:再生住宅に住む!」 2004年3月1日号)のリノベーション特集号で紹介された物件をご存知だろうか。
簡単に説明すると、場所は千代田区岩本町、古い5階建てペンシルビルの最上階でエレベーターは無し。フロア面積は40平米程度でなんと屋上が専有という物件である。(詳しくはココ)
5Fエレベーターなしは正直きついけど、屋上を専有できるって、ヤバい! 住みたい!
実を言うと『BRUTUS』でリノベーション後のイメージCGをつくったのは僕なのだが、いろいろ想像しているうちに止まらなくなり結局自分で借りてしまった。
とは言え、住居として使用するにはもちろんコンバージョンしなきゃならない。
オフィス→住居のコンバージョンでは風呂・キッチンをどう付けるかが必須の課題となるのだが、この物件ではシンプルに給湯室をそのままシャワー室に変えることが可能であった。そしてキッチンも給湯室横に設置することで給排水の問題もクリアできる。まさにコンバージョンにうってつけの物件だったのである。だからこそ予算なんてほとんどない僕にも借りることができたのだ。
そんなわけで契約も済ませ早速工事。大がかりなことはほとんどしないので工事期間は約一週間。設備系の水道・ガスの工事のみ業者に依頼し、あとはセルフビルドで行った。
まず最初に水道工事だったのだが……いきなり出足を挫かれた。給湯室にシャワーを取り付けたまではよかったのだけど、水がほとんど出ないのである。悲しいくらいに出ない。原因は水圧不足だった。通常ビルにおける給水は屋上の貯水タンクから行われるわけだが、最上階だと落差が足りず水圧が足りなくなることがあるのを忘れていた。
解決策を聞いてみると加圧ポンプを使えば大丈夫とのこと。とりあえず安心したが、加圧ポンプって10万近くもする。えらい高い。思いっきり予算外だ。うーむ、と悩みつつもとりあえずそこは保留して他の工事を進めた。
続いてはガス工事。これは給湯器にガスを繋ぐだけなのですぐ終了。
残りは自分たちでの工事。とはいっても塗装をしたくらいでそれほどたいしたことはしていない。とりあえず友達に手伝ってもらいひたすら壁を塗りまくった。
この物件は4面採光なので壁が真っ白に塗られるとかなりの明るさ。それまで日当たりの最悪のマンションに住んでいた僕には眩しいくらいだった。加えて天井も塗装し、既存の蛍光灯を外しダクトレールに取り替えた。おそらくこの物件においてもっとも強いオフィスとしての記号になっていたのは、有孔ボードの天井と蛍光灯だったであろう。実際そこを変えると空間全体の印象は大きく変わり、オフィスっぽさが一気に消えた。
そして屋上には人工芝を敷き詰めた。とりあえず満足しながら何度もゴロゴロ。やっぱり屋上って気持ちいい。仕上げとして東京VIPの象徴?!であるバスタブを置いてできあがり。おそらく周囲のビルからは「なんなんだあそこは」と不思議に思われているに違いない。
それはそうと実はこのバスタブ、ものすごく安く手に入れている。どこで手に入れたかというと、ネットオークションである。今回の改装では節約のためネットオークションをフル活用し、バスタブの他にもキッチン(正確にはシステムキッチンの天板)、水栓金具、防水パン、ハシゴ、イスなど、改装に必要なあらゆるものを落札した。こういったパーツや大型商品に関しては処分目的で出品されているものがけっこう多い。しかもそういうものを買う人なんて限られているので競争率が低く、狙い目なのだ。オークションって要はリサイクル。だからリノベーションの手法としてはまさに純正なんじゃないだろうか。かなりおすすめ。
そんな感じで毎日のようにオークションをチェックしていたわけだが、ある時なんと加圧ポンプが出品されているのを発見!! 恐るべしヤフオク。10万もするからどうしようかと悩んでいたものが2万円で手に入った。ラッキー。しかしこんなマニアックな物まで出品されているとは。
早速その加圧ポンプを取り付けると、勢いよくシャワーが!まさにオフィスから住居へと変貌を遂げた瞬間であった。
そんなこんなでついに完成。引越も早々に済ませ新生活をスタートさせた。
どかんと広いワンルーム。シンプルでミニマルな空間は元オフィスならではで普通のマンションではなかなか手に入らない空間だ。ところどころに古さが垣間見えるのもコンバージョンの魅力。
完成。とにかく窓が多いので、昼間はめちゃくちゃ明るい!
そしてやっぱり極めつけは屋上。毎日必ず利用するのですっかり居住空間として存在している。青天井のもうひとつのリビングルーム。夜空を見ながらボーっとしたり、友達集めてバーベキューしたり、無線LANで仕事だってできちゃう。屋上ってどんなビルにも必ずあるけど、実際使われているところってほとんどないんじゃないだろうか。こんなに気持ちいい空間なのに。とりあえず寒くなるまでは使い倒してやろうと思っている。